「これ、絶対詐欺だ。止めないと」。ローソン三木別所店(兵庫県三木市別所町西這田)の店員丹羽梨華(りんか)さん(21)=小野市=は、電子マネー30万円分を購入した三木市の無職男性(74)=当時=を駐車場の車まで追いかけて説得を続けた。丹羽さんが詐欺だと確信したのは、男性が持っていたメモだった。(小西隆久)
男性が同店を訪れたのは、4月20日午後2時ごろ。勤務2年目の丹羽さんは、スマートフォンで通話しながら現金自動預払機(ATM)を操作する男性が気になるが、同僚は昼休憩中だった。
男性は下ろしたお金で電子マネーカード30万円分を購入すると言う。カードの使い方も分かっていないようで、丹羽さんが説明しているとき、男性のメモが目に入る。「10万円のカードを3枚」。丹羽さんは「詐欺じゃないですか」と声をかけるが、男性は「大丈夫」と押し切り、購入した。
レジで引き留めたが、男性は店を出て駐車場の車に向かう。車まで追いかけ、説得を続ける丹羽さんを見かねた男性客(51)=当時=が「警察に電話しましょうか」。2人で説得している間に三木署員が到着。署員の説明に男性はようやく詐欺だと気付いたようだ。
同署によると、男性のスマホに「昨年3月に登録したサイトの利用料29万円が未払い」「コンビニで電子マネーを買って支払える」などの電話があった。男性は覚えがないにもかかわらず支払おうとしていた。
三木署は5月29日、詐欺被害を未然に防いだ丹羽さんに署長感謝状を贈呈し、飯塚之利署長は「行動力が素晴らしい」と称賛した。丹羽さんは6月、店長になる試験を受けるといい「これからもお客さんを守るためにできることをしたい」と笑顔で話した。
同署管内では2025年、特殊詐欺が20件、被害額は約1億2300万円だったが、今年に入ってすでに10件約2億1500万円と被害額が急増している。























