勤務時間外の残り酒での酒気帯び運転を理由に2024年に解雇された日本郵便の配達員の40代男性が、地位確認などを求めた訴訟の判決で、福岡地裁は3日、故意はなく懲戒基準に該当しないとし、解雇を無効として未払い賃金などの支払いを命じた。酒気帯びの不適切点呼問題を踏まえ「根絶に向けた取り組みが徹底されていたとは認め難い」と言及した。
同社は昨年、配達員の点呼を適切に実施していなかった問題が判明し、国が一部車両の貨物運送事業許可を取り消した。
横山寛裁判官は判決理由で、同社の懲戒基準は故意による飲酒運転で交通事故を起こした者が対象と定めていると指摘。残り酒などの詳細な研修はしておらず、客観的数値で判断することになっていなかったと認定した。男性に発覚を免れようとする態度はなく、道交法違反容疑は嫌疑不十分で不起訴になっており、故意はないと結論付けた。
判決によると、男性は23年2月27日夜に自宅で酎ハイや焼酎を飲み、翌28日朝、自家用車で信号待ちの車に追突する人身事故を起こし、呼気1リットル中0・53ミリグラムのアルコールが検出された。同7月に自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑などは不起訴処分となり、24年1月、懲戒解雇された。
原告代理人の西野裕貴弁護士は記者会見で「飲酒運転撲滅と労働者の権利擁護のバランスについて一定程度方向性が示された」と判決を評価。日本郵便は「飲酒運転は厳正に対処している」として控訴の意向を示した。
























