父の甲山親方(元幕内大碇)に抱っこされる0歳の頃の若碇=2005年、京都市の松尾大社
 父の甲山親方(元幕内大碇)に抱っこされる0歳の頃の若碇=2005年、京都市の松尾大社

 2024年の大相撲を締めくくる九州場所で、小さな力士が大きな一歩を刻んだ。若碇(わかいかり)=本名斎藤成剛、京都府出身、伊勢ノ海部屋=が19歳の若さで新十両に昇進。176センチ、117キロの小兵はしぶとく、きびきびとした取り口で23年初場所の初土俵から2年足らずで出世を遂げた。「豪快な相撲を取って、いつか幕内後半戦の土俵に上がりたい」。大志を抱く過程には別れと出会い、そして周囲の愛情があった。(共同通信=田井弘幸)