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 神戸空港が2006年2月の開港から20年を迎えた。

 25年4月には悲願だった国際化が実現し、韓国、中国、台湾と国際チャーター便でつながった。これが起爆剤となり、同年の旅客数は初めて400万人を超え、406万人となった。国内線も3年連続で過去最多を更新した。日中関係の悪化で現在は中国便が欠航するものの、追い風が吹く中での節目である。

 次に見据えるのは国際定期便の就航だ。4年後の30年4月を目指している。神戸を玄関口に、観光客誘致をはじめ、ビジネスや学術、文化、スポーツなど多様な分野の交流を兵庫県全域に広げたい。

 さらなる飛躍へ向け、国際空港としての魅力を高めねばならない。まさに正念場と言える。

 「これから本来の成長を成し遂げる」。神戸空港を運営する関西エアポート神戸の山谷(やまや)佳之社長は、20年を記念する式典で力を込めた。訪日客の伸びを受け、同社は27年度に562万人、30年度には573万人の旅客数を見込む。計画通りなら06年度の約2倍となる。

 神戸空港は市民の賛否が割れる中、神戸市が設置・運営する地方空港として誕生した。関西空港への配慮から国内線のみで、運用時間も制限されてきた。1970年代に関空の候補地として神戸沖が有力視されながら、地元の反対で泉州沖に決まった経緯を踏まえた結果だ。

 旅客数が伸び悩んだ時期もあるが、2018年の民間企業への運営権売却が転機となる。関西エアポートグループが関西、大阪(伊丹)、神戸空港を一体運営することで3空港の効果的な運用が可能になった。

 旅客数500万人時代の到来を目前に、待ったなしなのは空港のインフラ整備である。

 神戸市は26年度に第2ターミナル(T2)や駐機場の拡張の検討に入る。T2には搭乗橋がなく、バスで旅客を飛行機まで運んでいる。利便性向上に搭乗橋は欠かせない。加えて、約300メートル離れている第1ターミナルとの行き来がスムーズにできるような工夫を求めたい。開港時からの課題である新神戸駅への交通アクセス強化も急がれる。

 空港島の産業用地約80ヘクタールのうち8割近くは未利用のままだ。神戸市は土地利用の将来構想づくりに着手する。巨額の公費を投入した土地を有効活用し、産業誘致などで地域経済の底上げにつなげる必要がある。神戸商工会議所は海外とのビジネス交流に意欲を見せる。神戸以西への観光客誘致にも取り組んできた。

 コンパクトで市の中心部に近い神戸空港の利点を生かし、新たな価値創造へ官民が連携を深めてほしい。