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 日本全体で人口減少のスピードが速まり、影響が地方で深刻化している状況が改めて裏付けられた。少子化対策の実効性を高めつつ、人口が減っても安心して暮らせる地域の在り方について議論を早急に本格化させる必要がある。

 総務省は5年ごとに実施している国勢調査の速報値を公表した。2025年10月1日時点の総人口は、外国人を含め約1億2304万人だった。20年の前回調査から約309万人(2・5%)減った。

 減少数、減少率とも1920年の統計開始以来、過去最大となった。死亡数が出生数を上回る「自然減」が要因とみられる。人口が5万人未満の市と5千人未満の町村が増え、市町村の規模縮小が進んでいた。兵庫県は約14万人(2・6%)減の約532万人。都道府県別の人口規模は前回と同じ7位だが、減少数は3番目に多かった。

 首都圏への集中は一段と鮮明になった。4都県(東京、埼玉、千葉、神奈川)の合計は、初めて総人口の3割を超えた。ただ、東京以外はマイナスに転じた。大都市を抱える愛知と福岡の2県も減少した。団塊世代が90歳以上になる2040年ごろまで自然減の影響が続くと指摘される。都市部も人口減に直面する時代を迎えることになりそうだ。

 厚生労働省が発表した25年の出生数(日本人)は前年比2・2%減の約67万1千人にとどまり、10年連続で過去最少を更新した。国の想定より15年早く67万人台になった。

 政府は「地方創生」や「異次元の少子化対策」を掲げ、子育て支援や人口流入策などを打ち出してきたものの、人口減と東京一極集中は抑えられていない。高市政権は、各地に半導体や宇宙関連といった成長産業を集積させ、経済活性化の視点で少子化問題に取り組む方針だが、具体策はまだ見えない。

 結婚や出産・子育てを望む若者の支援は引き続き重要だ。自治体の財政力による格差を埋めるためにも、国の主導で施策の水準をそろえることが求められる。人口減を前提に行政サービスやインフラをどう維持するかも考えねばならない。

 首相の諮問機関である地方制度調査会は、市町村事務の一部を都道府県に移すなど、自治体間の役割分担の見直しを検討している。今後、「どのように縮むか」が避けて通れない議題となろう。

 総務省は25年10月1日時点で外国人が約321万人との推計も公表した。20年調査から約46万人増えた。外国人労働者が経済の重要な担い手となっている地域は多い。日本社会に順応できるよう、国が先頭に立って共生策を進めるべきである。