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 国会は、きのうまでの会期を25日まで延長した。自民党と連立を組む日本維新の会の肝いりである「副首都」構想関連法案の今国会中の成立に高市早苗首相がこだわり、その意向を反映したものだ。法案は「生煮え」な部分が多い。疑問や問題点を検証するには十分な時間が要る。拙速に決めず、ゼロから仕切り直すべきである。

 副首都法案は、その目的を大規模災害時の首都機能代替と経済成長のけん引と規定する。国の統治機構の在り方に関わる論点を含む。党派を超えた幅広い意見を反映した丁寧な合意形成が不可欠だ。衆院の4分の3を占める巨大与党が数に物を言わせて決めていい話ではない。

 首相は党首討論で「なぜ1週間の審議で通すのか」と問われ、「議員立法で答える立場にない」とかわした。不誠実な姿勢のまま会期を延長するというのなら、ご都合主義が過ぎる。

 国会は会期末が迫る中、与野党対立による空転が続いた。野党の反発の発端は、首相が自民党総裁選での中傷動画疑惑を巡って答弁を二転三転させ、唐突に「秘書の陳述書の提出」を持ち出し答弁を回避したことにある。その陳述書もいまだに示されていない。そんな中、野党の反対を顧みず、与党が衆院議員の定数削減法案や副首都法案の審議入りを強行した。

 野党が他の法案を含め一切の審議を拒むと、与党は皇室典範改正を優先するため、定数削減法案の今国会での成立を諦めざるを得なくなった。継続審議とせず、廃案とするのが筋だ。

 高市政権の強引で拙劣な国会運営は目に余る。憲法が保障する表現の自由を脅かす恐れのある日本国旗損壊罪法が成立したが、立法の根拠や必要性が不明確なのに加え、処罰対象は曖昧なままだ。法律が恣意(しい)的に運用される懸念は拭えていない。

 歴代首相と比べ、衆参予算委員会の集中審議への出席時間の短さは際立つ。説明責任に背を向けたまま、数の力で押し切ろうとしても無理は通らない。首相には責任を自覚し、独善的な振る舞いを改めるよう求める。

 首相が掲げる国論を二分するような政策こそ審議を尽くし、野党の意見にも耳を傾けて、合意を目指さねばならない。