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 太平洋クロマグロの資源管理を巡る10カ国・地域の国際会議で、大型魚の漁獲枠を2年ぶりに拡大する合意に達した。東部太平洋の資源管理などを議論する会合でも、同様の採択が行われた。漁獲枠拡大は日本が強く主張してきたものであり、国内の漁業者らにとって望ましい。クロマグロの流通量が増え、価格が安くなるという見方も出ている。小売値への影響にも注目したい。

 増枠は、国際的な厳しい漁獲管理のもとで水産資源が回復した結果、可能になったものである。各国が協調し、持続可能な漁業を継続していくことが求められる。

 合意では、日本を含む太平洋中西部側の漁獲枠について30キロ以上の大型魚を25%増やす一方、将来の水産資源確保につながる小型魚は6%減らす。来年から2年間適用される見通しで、資源量に応じて漁獲枠を自動的に決める新たな資源管理方式も盛り込まれた。

 7月に長崎市で開かれた前回の会議では、太平洋東部に所属するメキシコが突如反対に回り、決裂した。その後、日本政府の個別交渉でメキシコが翻意し、異例の再交渉の結果、ようやく合意に至った。

 ただ、漁獲枠の各国・地域別の具体的な配分比率はまだ決まっていない。合意内容を基に韓国や台湾と協議した上で、11月末からバヌアツで開かれる会合で正式決定される見通しだ。韓国も増枠を求めており、難航も予想される。政府は引き続き外交努力を重ねる必要がある。

 日本では以前から、クロマグロは刺し身やすしネタになる高級食材として人気が高い。過去の乱獲などで、太平洋クロマグロの親魚の資源量は2010年に約1万2千トンと歴史的低水準にまで落ち込んだ。だが15年に国際的な漁獲規制が導入されると、22年には過去最高とほぼ同水準の約14万4千トンに回復した。

 近年は漁獲枠を超える豊漁が続き、捕獲しても放流を余儀なくされる状況が続いている。増えたクロマグロによってサバやイワシが捕食されてしまうなど、漁業にマイナスになるケースも目立っていた。

 日本は世界の漁獲量の約6割を占めるトップクラスのクロマグロ消費国である。その保全に責任があることを認識し、資源管理の中心的な役割を果たしていくべきだ。

 捕りすぎや地球温暖化による海水温上昇で激減している水産資源は少なくない。代表格がサバやサケ、スルメイカなどだろう。サバの国内漁獲量は1978年に162万トンだったのが24年には26万トンまで減っている。クロマグロの事例に学び、長期的な視点に立って水産資源全体を守る取り組みを進めねばならない。