石井正己さん
石井正己さん

 今、人が突然いなくなると、行方不明や失踪というが、かつては神隠しと呼んだ。山の神や天狗(てんぐ)が女性や子どもをさらっていったと考えた。柳田国男はこの神隠しに深い関心を寄せている。自分自身が神隠しを経験したことがあると認識していたからである。自伝「故郷七十年」の「神隠し」で、そのエピソードを語る。