神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 宝塚市の民家で2020年6月、男女4人をクロスボウ(洋弓銃)で撃って殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた無職野津英滉被告(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が15日、神戸地裁であった。検察側に死刑を求刑された野津被告に対し、事件で重傷を負った伯母(55)が意見陳述し「死ぬ瞬間まで後悔し、苦しみ、(殺害された野津の母、弟、祖母の)3人に懺悔(ざんげ)し続けて欲しい」などと述べた。

 全文は以下の通り。

 あなたは私から家族4人を奪った。

 3人は殺され、1人は将来を自ら殺(あや)めてしまった。そして私の人生も、あまりに大きく、無理やり、変えられた。被害者としての私、遺族としての私を押し付けられた。同時に、加害者家族にもなった。

 あなたが事件を起こしてからずっと、私は自分を責めた。毎日毎日、一日も途切れず。

 食い止めれなかった、あなたも含め、大切な家族を守れなかった。

 あの時自分も殺されておけばよかったとどれだけ思ったことか。1人生きる孤独にずっと耐えながら、楽しい日を過ごす事は許されないという重荷のような自縛が、ずっと頭から消えない。