写真 舞子高校 甲斐大介
写真 舞子高校 甲斐大介

 有人日本最南端の波照間島(はてるまじま)と札幌で同じ電子てんびんを使い、質量100グラムの標準分銅を測定すると、波照間島では99.880グラム、札幌では100.037グラムを示しました。なぜ値が異なり札幌の方が大きな値を示すのでしょうか?

 電子てんびんに質量100グラムの標準分銅を載せると、物体には質量×その場所の重力加速度で求まる重力が働き、電子てんびんを押します。電子てんびんは、その力を測り、計算で質量を求めて表示しています。つまり、今回の実験から、重力は波照間島より札幌の方が大きいことがわかりました。

 重力は万有引力と遠心力の合力で求まります。地球の形は完全な球ではなく回転楕円(だえん)体です。地球の中心と、北極または南極の間の距離を極半径と言います。また、地球の中心と赤道上の距離を赤道半径と言いますが、赤道半径のほうが長いのです。万有引力は距離の2乗に反比例するので北極と南極で最も大きく、赤道上で最も小さくなります。