立ち上げたラグビー部をわずか8年で花園の全国大会に導きながら、パワハラ問題で解任された元ラグビー監督の松井英幸さん。6月に出版した「パワハラで人生をしくじった元名監督に学ぶ 変わる勇気」が話題だ。勝つことが優先され“体育会系”の指導が許されがちだったリーダーたちに「俺みたいになるな」と説く。褒められずに育った昭和世代は次世代とどう向き合えばいいのか、これからの指導のあり方を聞いた。
--2015年にパワハラ問題で解任されました。著書で「かつてパワハラというものを非常に軽く捉えていた」と振り返っています。
「軽く捉えていたというより、それが最善だと思っていました。私自身がそのような教育で育ち、ある程度の成果を上げたので、それがベストで、当たり前だと思っていた。ラグビーの指導をしていると親のような気持ちになってくる。手をあげてしまったのは間違った行為でしたが、当時の私はそれが愛情だと思っていました」