「タンチョウ家族が道路渡ってた
待っているお父さん、子を見守るお母さん
全てが美しいしヒナが可愛すぎる」
国の特別天然記念物である「タンチョウ」の家族が左から右へとゆっくりと道路を横切っていく様子をとらえた動画が「X」で注目を集めました。自身の歩く速度を小さなヒナの歩みにあわせてあげるお母さん、先に道路を渡りきり、家族がやってくるのを待ち受けるお父さん…しずかな日常風景からふかい家族愛が伝わってきます。
タンチョウは日本では北海道にのみ生息する野生ツルで道東の湿原に分布しています。純白と漆黒と真紅で構成された優美な姿が古来より尊ばれてきました。現在、タンチョウは環境省のレッドリストにて「絶滅危惧2類(VU)」に分類されています。
動画の撮影者のお名まえは柳楽(なぎら)航平(@nagi0467)さん(以下、柳楽さん)といいます。柳楽さんは2017年に大学卒業後、北海道の高校に教員として採用されたのを機に道東に移住しました。以後、当地の野生動物の写真や動画をお休みの日などに撮影し、SNSに投稿しています。大自然の中で生きる動物の強く美しい姿をとらえた写真が今まで何度も話題になってきました。
「本当に全てが美しく尊いですね。ありがとうございます!」
「優しい時間が流れていますね」
「自然界の親子愛 素晴らしい動画ありがとうございます」
「愛おしい動物達。人のための道路ではなく、動物達の道路作って欲しい」
多くの人に感動を与えてくれた本動画を撮影した時のことを、柳楽さんにお聞きしました。
■時間帯は早朝。動物に配慮し、距離を保ちながら撮影
--撮影時の状況を聞かせてください。
撮影場所は道東のとある湿原近くの道路です。時間帯は早朝で、霧がうっすらと立ちこめる中、タンチョウの家族が慎重に道路を渡っている様子に出会いました。
--撮影方法を教えてください。
使用機材は 「iPhone 15」 です。望遠などの特別な機材は使わず、スマートフォンで撮影しました。動物に配慮し、一定の距離を保ち、驚かせることのないよう注意を払いながら撮影しています。
■「命のつながりと美しさ」
--仲睦まじい様子を撮影しながらどんなことを感じましたか?
父親が先に立ち止まり、ヒナがそれに続き、少し後ろから母鳥が見守るという構図に、まるで物語のワンシーンのような感動を覚えました。自然のなかで静かに営まれる家族の姿に、命のつながりと美しさを感じながら撮影しました。
■今夏、撮りたい風景
柳楽さんは今夏、撮りたいものについて以下のように話しています。「この夏は、海霧に包まれる海岸や湿原を歩く動物たちの姿を記録したいと考えています。霧のなかに溶け込むようなキツネやエゾシカ、また、野鳥たちとの出会いも楽しみにしています」(柳楽さん)。どんな情景を見せてくれるのか楽しみに待ちたいですね。
(まいどなニュース特約・山本 明)

























