捨てられていた玄米(かながわ海岸美化財団提供)
捨てられていた玄米(かながわ海岸美化財団提供)

 コメ不足や価格高騰に多くの家庭が悩まされる中、神奈川県の海岸で起きた出来事にネット上では怒りの声が広がっています。

 海岸美化専門の団体、かながわ海岸美化財団(本部、神奈川県茅ケ崎市)は5月29日、公式Xを更新。神奈川県内の海岸に玄米が捨てられていたことを報告しました。

 玄米は古新聞用の茶色の紙袋らしきものに満杯に入っており、ダンボール箱ごと捨てられていました。「この時期にどうして?」。同財団の担当者は首をかしげます。

 写真を拡大すると虫も確認でき、ネットユーザーからは、「許せない」「虫がわいたから捨てたのか?」「買い占めていたんですかね」「米袋じゃない時点で…」などの声が相次いでいます。

 同財団の担当者によると、玄米の投棄を見つけたのは今回が初めて。

 「どんなものでも、ポイ捨てしないで欲しいという思いはありますが、やっぱり、日本人として『コメを捨てる』ことには驚きと憤りを覚えました。今回の投稿が、ここまで大きな反響があったのも、タイムリーなだけでなく、コメは日本人にとって特別なものなんだなと改めて思いました」(同財団担当者)

 同財団ではこれまでも不法投棄には神経をとがらせてきましたが、「こまめにパトロールしたり、行政と連携して監視カメラや看板などの設置を行っていますが、全てを防げないのが現状です」と嘆いています。

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 かながわ海岸美化財団は1991年、神奈川県と相模湾沿岸の13市町等により設立された、日本で唯一の海岸清掃を専門とする公益財団法人。年間を通じて神奈川県内150kmの自然海岸を清掃しています。海岸清掃のボランティアは個人や団体で応募できます。詳細は同財団サイトへ。

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【おことわり・5月30日午後7時】当初、配信した記事の中で、「玄米はもみ付きの状態」としていましたが、正しくはもみ付きではない「玄米」でした。記事を修正いたしました。

(まいどなニュース・金井 かおる)