元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

キャバクラやホストクラブまたは大人のお店などの夜職業界では、一時期、強引な仕事斡旋をするスカウトマンが問題視されていました。この問題が発生して以来、スカウトマンへの高額なバックマージンを提供する紹介制度を打ち切る店舗が続出しています。締め付けが厳しくなった今、スカウト業界ではセカンドキャリアへ移行する人や、潔く廃業する人など、かなりの苦戦を強いられているようです。

この背景から、スカウト業界は新規参入するには向かない商売となりました。ではこの問題が発券される前までは、どれくらい稼げる職業だったのでしょうか。

■月収100万円超えが当たり前だった全盛期のスカウトマン

そもそも、スカウトマンがどのような給料形態なのかを知っている人は多くないでしょう。「スカウト」とは要するに仲介業なので、女性をお店に紹介し彼女らが働き始めてようやくスカウトの給料が発生します。女性が毎月稼いだ分の3~4割が手元に入るか、それとも「紹介料」と称した買い切り金額が支払われるかは、場合によりけりです。

売れっ子キャストを数人担当として抱えているスカウトマンは、何もしなくても月収100万超えは余裕で到達できる金額だといわれていました。なかには月収1000万円以上を稼ぐ凄腕スカウトマンも存在していたようです。

実際に毎月2、300万円の給料を安定して稼いでいた元スカウトのTさんに話を聞くと「風俗の出稼ぎと在籍の紹介で稼いでいた」とのことでした。いろんな業種のキャストを手広く紹介するよりも、何か1つのジャンルに特化した方が女性からの信頼も得られ、おまけに自分を選んでもらいやすいことから、彼は風俗業専門のスカウトマンになったのです。

特化することのメリットはキャストからの信頼だけでなく、お店との関係もしっかり構築できることです。お店と良い関係が作れたら、採用してもらいやすくなるなど収入を伸ばす要素がどんどん増えるのです。

しかし、現在は多くの店舗が紹介を打ち切ったせいで、風俗店専業だったスカウトマンは非常に苦しんでいます。

さらにT田さんは「自分も紹介先が絞られスカウト一本では無理だと思い、今は知り合いのコンカフェ運営を手伝ってます。貯金はあるけどもう少し貯めて、事業でも起こそうかな。まさかこんなことになるなんて思ってもみなかったですよ!」と語っていました。

■女性の「メンタルケア」まで…スカウトマンの仕事は紹介だけじゃない

スカウトマンの仕事は「紹介をしたら終了」というわけではありません。紹介するだけのスカウトマンもいますが、あまりに対応が悪いと女性からのリピートも得られないのです。さらにSNSで「使えないスカウトだ」と晒される危険性さえあります。

紹介以外のスカウトマンの仕事として重要なのは、紹介したキャストのメンタルケア(通称:メンケア)です。メンケアとは、キャストの愚痴を聞いたりトラブルが起きた際に対応したり、時には仕事道具の差し入れなどをおこなったりと多種多様。しかも担当女性が1人だけ……なんてスカウトマンはおらず、大抵が数十人以上のキャストを抱えています。

1人のキャストに対して手厚くケアするのは困難ではるものの、稼ぐスカウトマンはこのメンケアがとても細やかな人が多いですね。

世の中ではスカウトマンは、女性の稼ぎを吸い上げる仕事と思われがちですが、彼らがいないと困る人々が一定数いるのも事実。完全に存在を消し去ると夜職業界は大変なことになってしまいます。世間での規制と実際の需要と供給について考えると、とても悩ましいですね。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。