大きなヤシ科の葉で包まれたこの弁当は一体?(北野伸雄さん提供)
大きなヤシ科の葉で包まれたこの弁当は一体?(北野伸雄さん提供)

南国感たっぷりの弁当がSNS上で大きな注目を集めている。

「与那国島のお弁当すごかった」と件の弁当を紹介したのは磐田市竜洋昆虫自然観察公園館長の"こんちゅうクン"こと北野伸雄さん(@kitanonobuo)。

クバ(ビロウ)の葉で風呂敷のように包まれたこの弁当。なんとも南国の風情が感じられて食欲が増すが、与那国では大きく伸縮性、撥水性もあるこのヤシ科の植物の葉をさまざまに用いるようだ。北野さんに話を聞いた。

ーーこのお弁当を召し上がった経緯は?

北野:全国の昆虫館施設が集まる全国昆虫施設連絡協議会が毎年会員施設で開催され、今年は与那国島のアヤミハビル館がホスト施設となって開催されました。その初日の昼食のお弁当として参加者にふるまわれたのが今回のお弁当です。なので私1人ではなく、全国の昆虫館の方々と共にいただきました。

ーーお味はいかがでしたか。

北野:外側のクバだけでなく、中身も与那国の名産が使用されており、味もおいしく、今まで食べてきたお弁当の中でも最高に印象的なお弁当でした。

ーー投稿に大きな反響がありました。

北野:反響の大きさに驚きました。食べてみたいっていうお声をたくさんお聞きして、あらためて貴重な体験をしたことを再認識もしました。また、現地で手軽に買ったり食べたりできるものではないということもわかり、もてなしてくれたアヤミハビル館への感謝もあらためて感じています。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「外側からビロウ(クバ)、ゲットウ、ボタンボウフウ(長命草)クバの葉はたった1枚で笠や鍋になるとっても大きな葉 これが無ければ島の文化は全然違ったはず とても素晴らしい葉です クバ達いつもありがとう」
「インドネシアの料理そっくりですね。(nasi bakarなど)葉の香りがほんのりと味わえて美味しいです。」
「以前沖縄の人からメルカリでモノを買ったら、緩衝材として月桃の葉がぎっしり詰められていたのを思い出しました。」
「素敵」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。この弁当は主催者が個人的に発注したものということで、同じものが手に入るわけではないが、与那国島ではクバなどの葉を用いた料理やお菓子が数々あるようだ。ご興味ある方はアヤミハビル館を訪れがてら足を運んでいただきたい。

なお今回の話題を提供してくれた北野さんは4月に著書『こんちゅうクンとみんなの昆虫学校NEO』(くまふメディア制作事務)を発表。ユニークな昆虫豆知識がふんだんに盛り込まれており、子どもから大人まで思わずクスッとなる一冊なので昆虫好きの方はぜひ手に取っていただきたい。

アヤミハビル館施設概要
与那国の人々とアヤミハビルの関わりやその他の昆虫、動物、絶滅危惧種(レッドデータ)を紹介・展示
所在地:沖縄県八重山郡与那国町与那国2114

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)