約6世帯に1世帯が「体験予算が0円」 ※画像はイメージです(PINA/stock.adobe.com)
約6世帯に1世帯が「体験予算が0円」 ※画像はイメージです(PINA/stock.adobe.com)

認定NPO法人チャリティーサンタ(東京都千代田区)は、経済的に困難を抱える子育て家庭の夏休みの実態を把握するための調査を実施しました。その結果、困窮家庭の半数が「子どもが希望する体験はほとんどできない」と回答し、約6世帯に1世帯は「体験予算が0円」と回答したことがわかりました。

調査は、児童扶養手当・就学援助・生活保護の受給世帯、またはそれに準ずるような経済状況で、18歳以下の子どものいる家庭3871世帯を対象として2025年6月~7月の期間にインターネットで実施されました。

まず、「今年の夏休みに、子どもが希望する『夏らしい体験』をどのくらいできそうですか」と尋ねたところ、「ほとんどできない」が50.0%という結果になり、「すべて体験できそう」と回答したのはわずか0.5%未満でした。

また、今年の夏休み期間において、「子どものレジャーや体験などの予算」について聞いたところ、16.6%(約6世帯に1世帯)の家庭が「0円」と回答、「5000円以下」と回答した家庭が49.4%を占め、中央値は「3000~4999円」という結果になりました。

次に、子どもと過ごす夏休みについては、「憂鬱」が72.5%、「楽しみ」は27.5%にとどまっており、「憂鬱」と答えた保護者からは以下のようなコメントが寄せられました。

▽お弁当をつくらなければならず、米はまだまだ高いし、食費がかさむ。家にエアコンがないので熱中症も心配。夏休みのプールも何年も前に廃止になり、部活もなくなる。裕福な家はいい、だけどお金も休みもないうちは苦痛でしかない。夏休みなんてなくなればいいと思う。

▽休みなのは子どもたちだけで、私は毎日夜遅くまで仕事です。普段も忙しくて睡眠時間が4時間程度しか取れていないのですが、毎朝お弁当を作らないといけないのでここから更に1時間削られて、ほぼ寝られない状態の1カ月を過ごさないといけなくなります。ただただどうしてこんな思いをしないといけないのか、と憂鬱を通り越して絶望のような気持ちで毎年過ごしています。

▽どこにも連れて行ってあげられない、夏の思い出を作ることができない、周りのみんなは夏休みのお出かけで保育園をお休みしているのに、全く休まず園しか行かない状況が悲しい。今年から小学生なので給食がなくなる夏休みは憂鬱というよりも恐怖です。保育園よりも子供の体験格差、学習格差を感じそうなことも怖いです。

最後に、「子どもが『行ってみたい』と話しているような屋内施設」を聞いたところ、近年の猛暑の影響からか、涼しく比較的手軽に非日常を味わえる場所として、「映画館」(73.6%)を希望する声が最も多くなったほか、「水族館」(47.1%)や「市民プール・体育館」(45.7%)という意見も挙げられました。