ハンドルネームがローズマリーのヤクザ(横山了一さん提供)
ハンドルネームがローズマリーのヤクザ(横山了一さん提供)

オンラインで出会ったことのある人にとって、人と実際に会ったときに「思っていたのと違った」と感じることは多いでしょう。現実とネット上の姿のギャップに驚くことは、誰にでも起こりうることです。漫画家の横山了一さんがInstagramに投稿した『オフ会で危険なフレンドに会う話』は、まさしくそんな“想定外の出会い”を描いた作品です。

物語の主人公・レオンは小学4年生。ネットゲームを通じて知り合ったフレンド・ローズマリーと初めて実際に会う約束をしました。事前に聞いていたローズマリーのプロフィールは、「20歳の女子大生」です。しかし目の前に現れたのは体格の大きな強面の男性で、なんとローズマリーの正体はヤクザの組長でした。

実はレオンも自分を高校生と偽っていたものの、ローズマリーの予想外の違いにびっくりしてしまいます。ローズマリーはそんなレオンに遠慮し立ち去ろうとしますが、レオンは一緒にゲームをした時間を思い出し、「家で遊ばない?」と誘います。こうして2人は年齢や見た目、境遇は違うもののリアルでも友達になるのでした。

その後もレオンとローズマリーは、ファミコンで遊んだりディズニーランドへ行ったり、一緒に思い出を作っていく姿は、本当の友達そのものです。そんな同作について、作者の横山了一さんに話を聞きました。

■ヤクザと小学生!?異色の組み合わせが生んだ物語の裏側

ー同作は何かから着想を得たのです?

少し前にオンラインのドラクエ10でよく遊んでいたことがあって、そこからオフで変わったフレンドに会う話をなんとなく考えました。ヤクザと小学生が出会うようなことは実際にはないと思いますが(笑)漫画のストーリーとしては面白いかなと思ったんです。

ー読者からの反応で特に印象に残ったものは?

「内容にほっこりした」といった感想を多くいただきました。実は、この作品は数年前に描いたものなのですが、あらためて感想をいただけるのはとてもうれしいですね。

ー作品を通じて伝えたいことは。

この作品には特に大きなテーマなどは設けていないのですが、環境のまったく違う人たちが心を通わせる物語は、自分の作品でよく描いているなと感じます。ほかにも似たテーマの作品を投稿していますので、楽しんでもらえたらうれしいです。

(海川 まこと/漫画収集家)