廃棄されるギターなどの弦を回収する「ミュージックドネーション」が話題だ。
切れたりサビたり定期的に交換するものだが、廃棄する弦は何ゴミで出せばいいのか?なんかもったいない気がする…と思う人も多いのではないだろうか。
2022年4月から開始されたミュージックドネーションは、廃棄する弦を回収し、植林支援や途上国の子ども支援を行う活動。現在回収拠点は楽器店など全国各地に35カ所以上。専用カホンが設置され、使い終わった弦を回収できる仕組みで、これまでに回収された弦は、すでに544.8キロ。活動を主催する、NPO法人水守の郷七ヶ宿理事長、海藤節生さんに話を聞いた。
--切れた弦が、どんな仕組みで社会に還元されるんですか?
海藤:ギターの弦は、レアメタル、ニッケル、スズ、銅、リンなど貴重な金属が使われているので換金し、山に植樹をする活動などあてています。地下資源で作った弦から森を育てる。資源循環の啓発行動ですね。
--植樹会での印象的な光景は?
海藤:2025年度はこの活動に参加するミュージシャンが植樹を行いました。一般的に植樹のイベントは森や緑に感心のある人が集まるので、まさに異例なことでした。幅広い年代、中には親子で参加された方もいて、「暑かったけどいい汗かいた!」「日常でも環境を意識した生活をおくらないと…」とお話しいただけました。
--弦を提供された皆さんの反応は?
海藤:ギターなどの使用済み弦は捨てにくいし、もったいない気がする。回収する仕組みがあればいいな、と思っていた方は元々多かったんだと感じました。回収用カホンを設置する楽器店さんなどから「ぜひ拡大させ続けてほしい」と言っていただけています。
--活動のポリシーは?
海藤:人は地球を借りているのだから地球すべてを大切にしなければならないんです。地方創生と世界平和を意識しながら、これからも活動を続けていきたいです。
◇ ◇
SNSでは「意外と弦の廃棄量すごいから助かる」「ずっともったいないなと思ってた」「学校の軽音部にも知ってほしい」などの反響が集まった。レアメタルは2050年には現有埋蔵量をほぼ使い切ると予測されている。人類一丸となって取り組む課題ではないだろうか。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)