昨今の物価高騰は子育て世帯にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。ライフネット生命保険株式会社(東京都千代田区)が実施した「子育て世帯における物価上昇と食費に」関する調査によると、値上がりを感じる食品の上位は「米」が最多となりました。では、食費節約のために購入を控えた食品は何なのでしょうか。
調査は、未就学児または小学生がいる全国の20~40代の男女1053人を対象として、2025年6月にインターネットで実施されました。
調査の結果、子育て世帯の91.9%が「物価上昇が家計に影響している」と回答し、特に日常的に支出の多い「食費の増加」を感じる世帯も89.3%と非常に高い割合を示しています。
また、食費に関して「値上がりを感じる食品」を尋ねたところ、「米」(74.4%)や「野菜」(70.0%)のほか「卵」(60.2%)も上位に挙げられました。
さらに、「節約のために購入を控えた食品カテゴリ」としては、「果物」(31.5%)、「お菓子・インスタント食品」(31.4%)、「肉類」(27.2%)などが上位を占めた一方で、「特にない」(11.6%)という意見も一定数見られます。
続けて、「家庭での食事(自炊)や外食・中食(お惣菜やテイクアウト)の頻度や内容に変化はありましたか」と聞いたところ、「外食の頻度を減らした」が52.9%、「自炊の頻度を増やした」が40.3%と、手間をかけてでも家庭での調理を選ぶ家庭が増えていることがうかがえました。
また、「食料品購入場所の変化」については、「食料品が安い店舗の利用」(65.2%)や「業務用スーパーやディスカウントストアの利用」(32.5%)が上位となり、少しでも出費を抑えようとする姿勢が見られます。
さらに、「食費を抑えるために献立や食材選びでの工夫」では、「見切り品や割引品の購入」(53.1%)が最多となり、価格を重視した選択が日々の献立や食材選びに反映されている様子が見て取れました。
次に、「食費以外の物価上昇対策」を尋ねたところ、「日用品の節約」(36.4%)、「娯楽費の節約」(35.1%)、「衣料費の節約」(33.9%)」といった回答が上位に並びました。
そのほか、「光熱費の節約」(27.9%)や「通信費の見直し」(20.1%)、「サブスクリプションサービスの見直し」(17.8%)など固定費を見直すご家庭も一定数見られました。
また、自身が実践している物価上昇への対策のなかで、「他の子育て世帯にもおすすめできると思うもの」については、「ポイ活(ポイント活動)の開始・活用」(18.7%)が「日用品の節約」(19.6%)に次いで多くなり、節約手段としての認知が広がってきていることがうかがえました。
最後に、子どもの教育資金や自身の老後資金など「将来のお金」について聞いたところ、85.0%の子育て世帯が、以前と比べ「不安が増した」と回答。
そこで、「将来への備えとして現在取り組んでいること、または今後取り組みたいと考えていること」を教えてもらったところ、「積立投資」(46.3%)や「預貯金」(45.9%)など中長期的な資産形成への関心の高まりが見られ、将来への備えとして堅実な家計管理を志向する傾向が強まっていることがわかりました。
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【出典】
▽ライフネット生命調べ