親世代が「生前整理・片付け」を手伝ってほしくない理由は? ※画像はイメージです(polkadot/stock.adobe.com)
親世代が「生前整理・片付け」を手伝ってほしくない理由は? ※画像はイメージです(polkadot/stock.adobe.com)

株式会社LIFULL senior(東京都千代田区)が運営する老人ホーム・介護施設検索サイト『LIFULL 介護』は、このほど「実家の生前整理・片付け」に関するアンケート調査の結果を発表しました。同調査によると、子世代の約8割が「親の自宅の生前整理・片付けを手伝いたい」と考えている一方で、親世代の約6割は「手伝ってほしくない」と考えていることがわかりました。その理由にはどのようなことがあるのでしょうか。

調査は、持ち家に居住し子供と別居している65歳以上の男女 537人(親世代)、および親と別居している40代、50代の男女 477人(子世代)を対象として、2025年8月にインターネットで実施されました。

その結果、「自宅(親が住む家)に、生前整理・片付けが必要だと思う」と答えた親世代は79.0%、子世代は67.6%となり、親子で共通して多くの人が家の片付けの必要性を実感していることがわかりました。

また、子世代の75.1%が「親の生前整理・片付けを手伝いたいと思う」と回答。一方、親世代の59.6%は「手伝ってほしくない」と答えています。

子世代に家の生前整理・片付けを「手伝って欲しくない」と答えた理由を尋ねたところ、「自分が判断することだから」(75.3%)が最多となったほか、「子どもに迷惑をかけたくないから」(41.2%)という意見も挙げられました。

次に、「生前整理・片付けをどの程度進めていますか」と親世代に聞いたところ、「夫婦、親子で片付けを進めている」(14.6%)、「自身だけで片付けを進めている」(26.2%)、「子や家族が進めているが自分は関与していない」(0.5%)など、実際に片付けをしている人は41.3%、一方で47.9%とおよそ半数は「着手したいと思っているが何もしていない」と回答しています。

「生前整理・片付けに着手したいと思っているが何もしていない理由」としては、「まだ先だと感じる」(49.8%)、「何から手をつけていいかわからない」(44.8%)、「体力や気力がない」(29.1%)などが上位に挙がりました。

一方、「親の自宅の生前整理・片付けを実施する上での不安」を子世代に聞いたところ、「何から手をつけていいかわからない」(47.2%)や「気力・体力的に負担が大きそう」(42.9%)といった意見が上位となり、親世代が生前整理・片付けに着手できない理由と共通していることがわかりました。

このような調査結果を踏まえて同サイトは、「日頃あまり連絡を取らない子どもが、久しぶりに帰省して耳の痛い話だけをして帰る。これでは親が受け入れにくいのも当然です」と説明。

その上で、「ポイントは、帰省時だけでない日常的なコミュニケーションです。日ごろから体調や暮らしを気遣うやり取りを重ねることで、やがて片付けや生前整理の相談にも耳を傾けてもらいやすくなります」とコメントしています。