猛暑の朝、妊娠中の妻を車で職場まで送った帰り道、釣具店の店員・コウタさん(@kota_fishing_ch)は、信号待ち中にひとりの高齢女性と出会いました。その出会いが、家族の記憶に残る小さな物語の始まりでした。
午前10時ごろ、車の助手席側の歩道で信号を待っていた高齢女性と目が合い、窓を開けて声をかけてみたところ、「暑い」と女性は話し始めました。行き先を聞くと、ちょうど帰り道にある病院とのこと。それならばと、コウタさんは助手席のドアを開けて「どうぞ」と乗ってもらいました。
「当日は猛暑日ということもあり思った以上に暑くてしんどかったと言ってました。タクシーも探していたそうですが、全然通らなくて困っていたとのことでした。」
病院に向かう道中、「帰りも送りましょうか」と提案したものの、女性は「流石にタクシーを呼ぶ」と遠慮していたといいます。
そして、無事に病院に到着し、女性が車を降りようとしたその時、思いがけない出来事が起きました。
「降りる直前に、千円札を渡されました。『いやいや、そういうつもりじゃないです』って断ったんですが、半ば強引に、降り際に助手席に置いて病院に入られてしまって…追いかけるわけにもいかず受け取った様な形です」
受け取るつもりはなかったけれど、思わず置かれていった感謝の一枚。「律儀だなーと思いました」と、コウタさんはその時の気持ちを振り返ります。
その後、この千円札はコウタさんと家族の思い出に変わりました。
「後日、ちょうど予定していた妻の誕生日祝いで、子どもと3人で焼肉に行きました」
このエピソードをThreadsにあげたところ、大きな反響を呼び、投稿は99万回以上表示され、コウタさん本人は「Threadsの使い方もよく分かってなくて、表示数も全然気にしていなかった」といい、「『えらくコメントが多いなー』くらいにしか思っていませんでした」と笑います。
投稿には、「見返り求めず乗せてあげる主さんの優しさ、お礼をおいていくお婆様、どちらも素敵すぎる!!」「あなたもおばあちゃんも優しくて心温まりました」「どちらも素敵すぎる!!」 と、双方の行動に感動する声が数多く寄せられています。