北九州市の地名「きんたま坂」がSNS上で大きな注目を集めている。
「この長い長い下り坂(きんたま坂)を」とその一帯の風景や地名にふれた立て看板を紹介したのは腹よわボーイさん(@nori7770)。
小倉北区の愛宕中井口1号線から南西に伸びたゆるやかな坂に建てられた
「人情下町:北小倉
昔しを偲ぶ
この道路は昔し唐津街道として栄えた所で(通称)きんたま坂としてにぎあい今日まで地名が続いています」(※原文ママ)
という立て看板。変わった地名は山ほどあるが、よりにもよってどうしてこんな地名に…。
腹よわボーイさんにお話を聞いた。
ーーきんたま坂を訪れた経緯は?
腹よわボーイ:初めて訪れたのは2022年10月でした。タマだけにたまたま所用にて近くを訪れた際、時間があったので散歩をしようと思い、周りに何かないかとGoogleMapを開いてみたところ、この面白い名称を見つけたので行ってみました。特に何の変哲もない坂でしたので、引き返そうかと思っていたところでこの看板を見つけ、「にぎあい」を「にぎりあい」に空目したのもあって笑ってしまいました。
ーー投稿に大きな反響がありました。
腹よわボーイ:投稿した後、リプライで由来を調べてくださった方がいて、またその内容がなかなかに悲惨で、男性としては涙を禁じえませんでしたが、笑いのほうが勝ってしまいますね。
◇ ◇
気になる由来について北小倉まちづくり協議会会長の廣木直利さんにお話を聞いた。
ーーなぜ「きんたま坂」と呼ばれるようになったのでしょうか?
廣木:由来には諸説あります。昔、坂道を上った所で決闘があり、若い侍が木の根っこに足を取られて転び、偶然あった石に金玉を打ちつけて死んでしまったというもの。坂に住んでいた木こりが寝ている時に囲炉裏の火が金玉に燃え移ってヤケドしたというもの。昔「金玉芋」と呼ばれていた馬鈴薯(ジャガイモ)が栽培されていたからというもの…個人的には最後の説が一番有力だと思っています。
ーー今もこの地名は地域に浸透しているのでしょうか?
廣木:はい、みんなそう呼んでおります。最近はユーチューバーとかも来るから、昔より有名かもしれませんね。今、坂の両側にスーパーマーケットのメガトライアルが出来る工事中なので立て看板は外してあるんですが、完成したらまた元通りに設置する予定です。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「クソほど近所で草ァ!」
「きんたま坂としてにぎあい!?」
「『きんたま坂としてにぎあい 』が “ 握り合い ” にみえて ひとしきり大笑いしてから 違うことに気付き もう一笑いw」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。きんたま坂は西小倉駅、九州工大前駅からそれぞれ徒歩30分程度。ご興味ある方はぜひ散歩がてら足を運んでいただきたい。
腹よわボーイさんはトマソン(都市空間で意味を失った構造物)収集、階段巡りなどをテーマに趣味でまち歩きをしており、その際に撮影した写真をSNSやブログ「おなかがよわいお坊さんはあわてない」で紹介している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
腹よわボーイさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/nori7770
ブログ「おなかがよわいお坊さんはあわてない」:https://onakayowai.hatenablog.jp/
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)