93歳の女性が塗り絵に打ち込む姿と、その完成度の高い作品がThreadsに投稿され、12万件以上も表示されるなど話題になっています。投稿したのは、女性の孫の配偶者にあたる、おこめやさん(@ocomeya_sanrio)。8年間で100冊以上の塗り絵に取り組んできたという女性の作り出す色彩に、「センスのかたまり」「素晴らしい色使い」「私もやってみます。良い刺激になりました」などコメントが寄せられました。
おこめやさんは夫と交際を始めた当初から義祖母と親しくしており、普段は「ばぁばぁ」という愛称で呼んでいるのだそう。昔から手先が器用で刺繍や裁縫が趣味だった義祖母でしたが、高齢になり「もう作る気力がない」と落ち込んでいたため、新しい趣味になれば…との思いで大人用の塗り絵と色鉛筆をプレゼントしたところ、すっかり夢中になったのだと言います。
「最初は『私にできるかしら…』と不安げでしたが、後日見せてもらった作品は驚くほど丁寧に彩色されていたんです。『すごく綺麗!』と褒めると、目を輝かせて喜んでいました」
それからというもの、おこめやさんは毎月新しい塗り絵を贈るようになり、義祖母の塗り絵ライフが始まりました。
「1カ月に1~2冊、多い時は3冊塗っているので、気づけばこの8年間で100冊を超えていました」
義祖母は現在93歳。高齢になってもなお集中力と情熱を保ち続けられる理由について、「新しいことに挑戦しようという『熱意』と、うまくなりたいという『向上心』があるからでは」と、おこめやさんは語ります。
「はっきりと発色する色鉛筆が好きだと言っていました。塗り方や色の選び方にもこだわりがあるようで、白い紙に試し塗りをしてから本番に臨むほか、刺繍で培った色彩感覚を活かしながら塗っているそう。濃淡を付けたり、色を混ぜてグラデーションにしたり…と工夫しているようです」
まっさらな状態の塗り絵を見て「この絵、何かしら?」と思いながら塗り進め、仕上がってから「こんなモチーフだったのね!」と自分でも驚くことがあるのだとか。なかでもマンダラ模様、花、人物のモチーフが特にお気に入りだといいます。
「色の組み合わせを考えるのに集中していると、毎日があっという間で楽しくなったと言っています。頭を使うのでボケない、とも」
今回の投稿が反響を呼んだことについて、「もともとは、塗り絵コンテストに応募する予定でいたもののタイミングを逃してしまい、ばぁばぁがしょんぼりしていたので、Threadsに投稿することにしたんです。正直、こんなに多くの人に見ていただけるとは思わず、ビックリしています」と、おこめやさんは話します。
投稿に寄せられた、「色選びのセンスが素敵」「細かいところまでしっかり塗っている」といったコメント一つひとつを義祖母の隣で読み上げると、「こんな嬉しいことってあるのね。もっと頑張らなきゃ」と、再び目を輝かせたそうです。