“母親だから”の枠を越えようと意識し始めた頃。息子と2人で写った1枚/いとみきさん(@itomiki_life)提供
“母親だから”の枠を越えようと意識し始めた頃。息子と2人で写った1枚/いとみきさん(@itomiki_life)提供

TikTokに投稿された「産前→産後 垢抜け記録」の動画が、多くの母親たちの共感を集めています。投稿主は、シングルマザーとして子育てをしながら自分らしい生き方を発信する、いとみきさん(@itomiki_life)。かつては「母親だから」「自分を後回しにするのが当然」と思い込んでいたといいます。

未婚で息子を妊娠した当時、将来への不安を感じながらも、「自分の選択を正解にしたい」と出産を決意したといういとみきさん。

しかし、シングルマザーとして生活する中で「母親はこうあるべき」という固定観念に縛られ、自分を責めてしまうこともあったそうです。

周囲から心ない言葉をかけられた経験もあり、「現実を変えられないなら、この中でどう幸せを見つけるかを考えよう」と前を向くようになりました。

そうして少しずつ、「母親でもおしゃれをしていい」「自分の人生を楽しんでいい」と考え方が変わっていったといいます。

転機は、百貨店のアパレル販売で働き始めたこと。仕事を通してファッションの知識を学び、副業で得たお金を少しずつ自分のために使うようになりました。

「母親が自己実現に向けて努力することは、息子にとっても良いお手本になる」と気づいたのです。

ヘアスタイルを変えたことが、垢抜けの大きなきっかけになりました。

アパレル業で多くの人のファッションに触れるうちに、「自分に似合うもの」と「自分が好きなもの」は違うと気づき、Pinterestで理想像を探したり、パーソナルカラー診断を受けたりしながら、自分らしさを見つけていったそうです。

今では「母親でも女性であることに変わりはない」と考え、ファッションもメイクも“いい女に見えるもの”を選ぶように。

女性としての自分を否定しなくなってから、見た目だけでなく気持ちも前向きに変化したと話します。

見た目の変化は、息子との関係にも良い影響をもたらしました。

「私が自分を大切にして生きる姿を見せることで、息子にも“好きなことをしていい”と伝えたい」といとみきさん。

息子と一緒に笑う写真には、母としてだけでなく、一人の女性として人生を楽しむ姿が映っています。

投稿には、「自分も変わりたい」「勇気をもらった」というコメントが数多く寄せられました。

「母親がやりたいことを諦めたら、子どもも希望を持てない。だから私は、自分のためにも息子のためにも変わり続けたい」といとみきさんは語ります。