野球のグラウンドに審判員が引いたラインが「神業」と話題になっている。
本塁から三塁、そしてレフト線にまっすぐ伸びた白いライン。気持ちがよいほど見事なまっすぐだ。
見ていて清々しくなる画像はSNSで1824万件表示という大きな反響を呼んだ。投稿したのは元プロ野球審判員で、現在は九州アジアベースボールリーグ審判部アドバイザーとして活躍する橋本信治さん。ラインの引き方について、詳しく話を聞いた。
ー神業というコメントもありました。まっすぐラインを引ける人は少ないのですか?
橋本:特別な技能という自覚がありませんでしたが、確かに真っ直ぐ引けない人はたくさんいます(笑)。勘違いされている方も多いですが、一部軟式を除き審判員はラインを引きません。ただ審判をしている時の集中力を発揮すれば、ラインをまっすぐ引くこともできるはずです。
ーまっすぐな線を引く準備は?
橋本:まず本塁から外野までガイド紐を引っ張ります。その紐に沿ってラインを引くので、真っ直ぐピンと張り固定するのが大事なんです。次にグラウンドにはスパイク痕や雨水の流れ道など様々な凹凸があるので、完全に平らなグラウンドを作ること。あとはラインカーのタイヤが滑らかに回転するか、タイヤに泥など付いてないか確認します。
ー線を引く時のコツは?
橋本:一塁側のラインでは、ガイド紐をラインカーの石灰が出る目印の右側約2ミリに合わせます。紐を跨いで立ち、その目印が右目の真下に来るように立ち、両目を開けながら、右目だけでその2ミリ幅を維持させながらラインを引きます。視線は目印と紐の間2ミリを見続けているので、一切前は見ません。三塁側はこの逆です。
身体が左右に揺れるとラインも曲がるので、なるべく小さい歩幅で歩くのもコツ。平らなグラウンドなら片足を約5センチずつズラしながら進みます。時間を計測したら、本塁から外野芝際まで約40メートルで6分以上掛かっていました。呼吸を一定にすることもポイント。小刻みに引くなら足の動きに合わせ小刻みに数回吐いて小刻みに数回吸います。
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SNSでは「ライン引きをしたことある人には分かると思うけど神業だから」「一体どうすればこんなキレイなラインが引けるのか」「粉が横に散ってるとかも無いのがすごい」「迷いが無い」「引いてる間、呼吸止めてるのでは」などの反響が寄せられた。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)
























