戦前にこんなお菓子があったなんて…(大木浩明さん提供)
戦前にこんなお菓子があったなんて…(大木浩明さん提供)

戦前の日本陸軍で開発された"居眠り防止菓子"がSNS上で大きな注目を集めている。

「陸軍糧秣廠で開発されたという『居眠り防止菓子』かなり効果があったような記事だが、本当だろうか?コミケ原稿の追い込み時期にぜひ欲しい…」と件の菓子の新聞記事を紹介したのは辛子明太子伍長と大木浩明さんによるサークル「辛子工房」のXアカウント(@ookihiroaki2)。

「睡魔退散の妙薬… 糧秣廠製造『居睡り防止菓子』
陸軍糧秣廠では此の程戦時携帯口糧の一種として居睡り防止菓子なるものを製造し目下実験中である。之は種として夜間勤務中疲労の餘(あま)りややもすれば眠りに落ちんとする者に特殊の強烈な刺激を与え睡魔を退散させ勤務に支障なからしめんとするものであって、原料には珈琲及茶の精を混合し之にチョコレートをもって加味したピース状小型の菓子である。尚、実験の結果は良好にして副作用を伴わず二粒以内の使用により三十分内外で効果を発生し而も六七時間効果を持続し得るものである。」

と書かれたこの記事。

これは陸軍省新聞部が内部向けに発行していた週刊新聞「つはもの」の昭和10年2月27日号6面に掲載されたものだという。文面からは居眠り防止菓子はおそらくカフェインを用いたもののようだ。現代でもカフェインによる覚醒効果をうたう食品や医薬品が多々あるが、90年も前に同様の発想の居眠り防止菓子が軍隊によって作られていたとは興味深い。

大木さんにお話を聞いたところ

「『睡魔を防止する菓子』について意外にも皆様興味を持たれていました。成分や効能、現代ではどの薬や食品に該当するか?などの意見が多数寄せられ、『眠くとも頑張る方法』は時代を超えた興味事項だと認識しました」

ということだった。

SNSユーザー達から

「珈琲及び茶の精を混合しこれにチョコレートを加味ってかいてあるし、カフェインタブレットってことですな 今ならモカ錠ですかね。」
「エスタロンモカと同じ無水カフェイン錠剤。こちらは1錠で200mgですね。注意書きには1回1錠を1日3回まで、3~4時間の間隔を空けて下さいとありますが、本当にヤバい時は2錠いきます。」
「カフェインの錠剤は今も売っていますがホンンンンントに胃がやられるのでお気をつけて。」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。効能はいかほどだったのか、知りたいところだ

なお今回の話題を提供してくれた大木さんは陸軍をはじめとした官公庁で行われていた諸動作や、現存する物品を後世に伝えるための団体、軍事法規研究会の先任研究員。ご興味ある方はぜひ公式ホームページをご覧いただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)