人からかけられた言葉が、相手の意図とは違う意味に捉えられ、心に刺さってしまったことはありませんか。「褒められたのか」「否定されたのか」その境界が曖昧なままモヤモヤを抱える経験は、誰しも1度はあるものでしょう。
InstagramでB.B軍曹さんが投稿した作品『誤解される人、されない人の決定的な差』では、そんな言葉の受け取り方について描かれており話題となっています。
作者は昔から食べることが大好きです。しかしある日、当時のパートナーに「よく食べるよな」と言われ、複雑な気持ちになります。女性は「少食が可愛い」と言われることもあれば、「たくさん食べる子が好き」と言われることもあるため、これが褒めているのか否定しているのか分からなかったことが理由です。しかし、言い方が嫌味のように聞こえた作者は、人知れず落ち込んだのでした。
それから数年後、髭さんと結婚し同じように食事をしているとき「気持ちのいい食べっぷりだ」と笑顔で言われます。以前と同じ食べることについての言葉でしたが、その言葉の受け取り方はまったく違っていました。
読者からは「最後のセリフ、これは結婚しますわ」「言葉の選び方も重要ですよね」など、髭さんの言葉への称賛の声が多くあがっています。そこで同作について、作者のB.B軍曹さんに詳しい話を聞きました。
■“誤解される言い方”と“されにくい言い方”の違いは自分発信の言葉かどうか
ー当時のパートナーから言われた「よく食べるよな」はどうして嫌味のように感じたのでしょうか?
言葉だけ聞けば、ただ事実を述べているだけのようですが、その時の表情や声のトーン、空気感もセットで受け取ってしまうのが人間なのかなーと思っていて。当時の私は、相手の顔色を過剰に読んでしまう性格で、「それって褒めてるの?けなしてるの?」って、いつも心の中で確認作業をしていました。
だから「よく食べるよな」も、笑いながら言っていても、内心「そんなに食べて大丈夫?太らない?」って思われてるのかも…とか、勝手に悪い意味を探してしまったり。でもそれって、相手の問題というより、私が“どう受け取るか”で自分自身を苦しめていたということもあるのかなーとは思ってます。
ー髭さんの言葉が心地よく響いた理由はなんだったと思われますか?
髭の言葉には、“評価”がなかったんです。「気持ちのいい食べっぷりだ」とか「どんどん食べてほしい」という言い方って、「君はそういう人なんだね。それが好きだよ」っていう、そのままでOKというスタンスなんですよね。変に褒めているわけでも、イジってるわけでもなくて、ただ一緒にご飯を楽しんでいる雰囲気。それがとても自然で嬉しかった。
人は、自分の“ありのまま”を肯定してもらえるときに、すごく安心するんだと思います。だからこそ、「これは褒められてるのか?バカにされてるのか?」って迷う必要がなかったあの瞬間は、私にとって小さな救いだったんです。
ー軍曹さんが考える、“誤解されやすい言い方”と“誤解されにくい言い方”の違いがあれば教えていただきたいです!
誤解されやすい言い方って、“相手のことを評価する形”で話してしまっているときだと思うんです。例えば、「よく食べるね」には、“驚き”や“引き”のニュアンスが出ることがあるし、「頑張れ」も他人事に聞こえることもある。
一方で、誤解されにくい言い方は、自分の感情や感想として伝えている言葉だと思います。
「見てて気持ちいい食べ方だな~」や「頑張ってるね」などです。「あなたはこうだよね」と断定するよりも、「私はこう感じたよ」と伝える方が相手にプレッシャーがなくて、言葉が素直に届きやすい。
髭はまさにこの“自分発信の言葉”を選ぶのが上手で、「それを言う側の人がどう思ってるかより、言われた側がどう感じるかが大事だよ」と、よく言っています。私もそれを聞いてから、「伝え方」って想像力だよなと改めて感じました。
(海川 まこと/漫画収集家)
























