「引っ越して1カ月で、まさかの同居人(?)が増えるとは思ってもいなかった……」
この春、新生活を迎え、新たな出会いを重ねている人も少なくないでしょう。Xユーザー・ヤム@ヤム烈さん(@yamuretsu)もそのひとり。ただし、その出会いは少し風変わりなものでした。
投稿された写真に写っているのは、室内用スリッパの中からひょっこり顔を出した小さなニホンヤモリ。大きな瞳でじっとこちらを見つめる姿は、まるで「先客がいたのか!」と驚いているようにも見えます。のちに「永井さん」と名付けられ、かけがえのないパートナーとしてともに暮らすようになりますが、家族として迎えるまでには紆余曲折があったといいます。
この投稿は2.5万件超の“いいね”を集め、「これはかわいい!」「ぜひ大切に」「ヤモリは家守で縁起いいよね」など、温かな反響が寄せられています。永井さんを家族に迎えるまでには、どのような物語があったのでしょうか。詳しくお話を伺いました。
■新居で驚きの出会い、名前の由来は?
永井さんと飼い主さんの出会いは、昨年の春。引っ越しの荷物片付けの真っ最中でした。玄関で段ボールを運んでいた飼い主さんは、スリッパにゴミが付いているのかと思ったそうです。「近付いた際に何か違うと気付き、スマホのカメラのズーム機能で確認したところ、ヤモリだとわかりました」と当時を振り返ります。
当初は「そのうち自分で出ていくだろう」と考えていた飼い主さんでしたが、それから10日後、シンクの掃除中に再び永井さんが姿を現します。さらにその後、火を使うコンロの下へ入り込んでしまったことから、危険を感じておびき寄せ、3日後、ようやく捕獲成功。
一度は虫かごを窓際に置いてフタを開け、「達者で暮らせよ」と送り出しました。ところが、なぜか部屋の中にはまだ気配が…電気を消して様子をうかがっていると、冷蔵庫の下へ逃げ込む影を発見。
「野生の子は野生で生きていくのがいいとも考えていましたが、このままだと踏んでしまうかもしれないと思い、保護することにしました」と、永井さんの身を案じたことが「同居」の決め手となりました。
“永井”という印象的なお名前は、飼い主さんの好きなホラーゲーム『SIREN2』が由来なのだとか。
「いたところを見るたびにいなくなり、でも気配がするので近辺を探すと見つかる、というのを繰り返しておりました。その際、三沢岳明というキャラが永井頼人を探す際の『どこだ…永井…』という言葉が毎回頭をよぎっていたので、永井にしました。ゲームが分からない方には、身体が長いから永井さんと説明しています(笑)」と、ユーモアたっぷりに語ってくれました。
■ごはんにこだわり!? 試行錯誤する日々
初めての爬虫類飼育は、試行錯誤の連続でした。特に苦労したのは食事面です。ネットで調べた練り餌はお気に召さず、家に出た蜘蛛を与えても「いりません」とばかりに隠れてしまう徹底ぶり。小さなコオロギと同居状態で怯えてしまったり、ミルワームも思うように食べてくれなかったりと、前途多難な日々が続きました。
そんな試行錯誤の末、ようやくたどり着いたのが「釣り」のような給餌スタイルです。「地面に置いてあるものは食べないというこだわりがあり、ピンセットも警戒してしまいました。そのため、冷凍コオロギに針を刺して糸を通し、吊るしてプラプラさせると勢いよく食いついてくれたんです」と飼い主さん。現在も、この工夫を凝らした方法で食事の時間を支えています。
■もうすぐ同居から1年、ふだんの様子は
新居での出会いから、もうすぐ1年。現在の永井さんは、オブジェの縁に顎を乗せてのんびりと外を眺めるのがお気に入りです。「ハンドリングもできるようですが、うちでは触ることはせず、そっと見守る程度にしています」と、程よい距離感で接しているそうです。
これまでの生活で、一度だけ脱走騒ぎもあったといいます。ケースの穴から抜け出した永井さんが見つからず、不安になった飼い主さん。ほかの飼育者から「しばらくすれば出てくる」と聞き、信じて待つことにしました。
数日後、ふと窓のサッシに目をやると、そこには永井さんの姿が。目が合い、思わず笑ってしまったといいます。
こうして、すっかり家族の一員となった永井さん。これからも“同居人”として、日々にささやかな彩りを添えてくれそうです。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)






















