香港の中心部に1961年に建造され、そのカオスな佇まいから多くの観光客が訪れるチョンキンマンション(重慶大廈)。
今、SNS上ではそんなチョンキンマンション内の宿泊施設で起こった一酸化炭素中毒事故が大きな注目を集めている。
被害にあったのは、旅行系YouTuberのたむ旅さん(@travel_tamu)。奥さんと2人で、マンション内の安価なホテルに宿泊中、体調が悪化。現地の病院で診察を受けたところ、一酸化炭素中毒と診断されたということだ。
たむ旅さんにお話を聞いた。
ーーホテルの部屋に通された際の印象は?
たむ旅:第一印象としては、非常に狭い空間だと感じました。2畳ほどの広さに最低限のベッドがあり、トイレとシャワーが極めて近い位置にある構造で、シャワーを使用するとトイレ自体が濡れてしまうほどの狭さでした。
また、バスルームには窓のようなものがありました。予約時はシティービューの部屋と記載がありましたが、開けると外ではなくビル内部のダクトのような空間に繋がっており、暗く臭気も強く、開けた際にはチョウバエが出てくる状況でした。
部屋にはゴキブリが出ましたが、安価な宿であることから、ある程度は想定の範囲内ではありました。
ーー入院に至る経緯は?
たむ旅:6日間の宿泊予定で、4日目の朝に腐った玉ねぎのような異臭で目が覚めました。その日は外出していたため症状は出ませんでしたが、夜に戻っても部屋に同様の匂いがあり、スタッフに窓の辺りから異臭がすると相談したところ、下水が原因との説明を受け、簡易的な清掃が行われました。異臭はなくなりませんでしたが、その日は夜遅かったこともあり仕方なく一晩過ごしました。
翌朝2人とも頭痛で目覚め、その時も異臭が続いていたので再度相談すると「ビル内でガス漏れがあったが本日修理される」と説明を受けました。部屋の変更を希望しましたが、満室とのことで対応されませんでした。
その日、部屋は異臭がすごかったので、編集作業のため昼前に外出したのですが、外出時点で既に強い頭痛と吐き気がありました。午後になって妻の症状が悪化したため、作業を切り上げて一旦別のホテルを急遽予約して移動。少し横になって休みましたが、それでも症状は改善しなかったので夜に病院へ向かいました。
そこで血液検査を受けた結果、2人とも一酸化炭素中毒と診断されました。入院を勧められましたが、費用面と症状の一時的な改善を理由に見送り、そのまま別のホテルに泊まりました。翌日には症状は、ほぼ回復しました。
ーーホテルの対応は?
たむ旅:後日チョンキンマンションの宿に荷物を取りに戻った際、スタッフから「週末だからガス漏れは修理されなかった。今日は問題ない」と言われましたが、その際も部屋には同様のガスのような臭いが残っていました。宿側と交渉した結果、1日分のみ返金対応となりました。
スタッフには別の部屋での滞在を勧められましたが、安全管理に不安を感じたため、それ以上の滞在は行いませんでした。
ーーご投稿について大きな反響がありました。
たむ旅:想像以上に反響が大きくて驚くと同時に、憶測による情報も多く、SNSの影響力の大きさと難しさを感じました。
今回の件を通じて、特に海外での宿泊施設選びは、より慎重に行うべきだと強く感じています。日本では考えにくい環境の宿も多く、写真と実態が異なるケースも少なくありません。
命に関わる経験は初めてでしたが、事前のリサーチの重要性を痛感しました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「香港在住の友人に『絶対重慶大廈に泊まるな。あそこはベッドにナンキンムシいるし、クソデカいGが床とか壁を這ってたりするし、他にも色々あるから絶対行くな。行っていいのは1Fの両替屋だけ!』と香港行くときめっちゃ言われた。ほんまやめたほうがいい。 」
「香港人ですが、あそこはスラムに近いですから 、一人のお泊まりはおすすめしません。設備のメンテナンスしてないから、時にシャワールームで感電事故の発生も聞いたこと有ります。人が多い繁栄街にあるのに、イレギュラーのマンション、中は複雑な魔境、治安が悪いです」
「重慶大廈て一部の人はやたら持ち上げるけれども、地元香港人からは真剣な顔で『やめとけ』と言われます。 最悪の事態にならなかったのが、まだ幸いかもしれない」
「香港人です そういう場合は必ず警察/消防を呼んでください! 香港は人がいっぱいあるので もし何があったら すっごく大きな災害になれるから 間違いがどうかより 安全の方が大事ですよ... そして 悪い思いさせて 香港人としてちょっと ごめんなさい...」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。みなさんも海外で宿を取る際は、くれぐれもご用心いただきたい。
今回、事故で話題になってしまったたむ旅さんだが、これまでにロシア・ウクライナ・中央アジアをはじめとした旧ソ連諸国や中国の北朝鮮との国境周辺、新疆ウイグル自治区、さらにはウクライナのマリウポリなど、辺境の地も含めて夫婦で数十か国を訪問。歴史・文化・社会を、自らの体験に基づき独自の視点で発信しているので、ご興味ある方はぜひSNSやYouTubeをご覧いただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)






















