2025年1月、岡山市保健所(岡山市北区)に収容されていた妊娠中の母犬・すずちゃんが、6匹の子犬を出産しました。母子そろって岡山市を拠点に犬猫の保護・譲渡活動を行う『一般社団法人ALL AS ONE(オール アズ ワン)』に引き出されましたが、シズちゃんと名付けられた子犬だけが母乳を飲む力が弱く、入退院を繰り返すことに。
「スポイトでミルクをあげても体重は280~300gの間を行ったり来たり。もうダメかと何度も思いましたが、なんとか命を繋いで、生後約3か月てやっと2kgくらいまで大きくなってくれました」(ALL AS ONE代表・田村江里子さん)
そして昨年4月、シズちゃんはきょうだいの中で最後に千葉の新しい家族のもとへ。ふぅちゃんという名前とともに新しい“犬生”をスタートさせました。
20代の3兄弟がいる家庭に迎えられたふぅちゃんは、年の離れた末っ子の女の子。かわいがられないわけがありません。ビビリだけど甘えん坊で人懐っこい性格。一緒に散歩に行き、一緒に遊び、一緒に寝て…すぐに家族の一員となりました。
「保護していただいている間に愛情をたくさん注いでもらったからでしょう、人も犬も大好きな子です。外が怖くてなかなかお散歩に行けず、家の前の道を往復する日々でしたが、わんちゃんが好きなので、後を追いかけて行ったことのない道に行き、ふと我に帰って慌てて来た道を帰る…といったことを繰り返して、少しずつ行動範囲を広げていきました」
ふぅちゃんのこの一年の成長を、ご家族はそんな風に振り返ってくれました。
■先代犬が繋いでくれたご縁
そもそも、千葉のご家族がなぜ岡山の保護犬を迎えることになったのでしょうか。
「2024年11月に17年半一緒に暮らした犬のはなが亡くなりました。とてもさみしくて、犬のインスタなど見ていると、その子にそっくりなわんちゃんがいたんです。それがふぅのお母さんのすずちゃんでした。はなが赤ちゃんを産んでいたらこんな子だったのかな…と思い、家族で相談してふぅをお迎えさせていただきました」(ご家族)
先代はなちゃんが繋いでくれたご縁。生死の境を彷徨ったふぅちゃんが無事に成長できたのも、はなちゃんの応援があったからかもしれません。ふぅちゃんは家に来てすぐ、はなちゃんが使っていたクッションに乗ってくつろいでいたそうです。
ふぅちゃんの変化はお散歩の距離が伸びたことだけではありません。家族と他の人の区別がつくようになり、最初は誰にでもニコニコ近づいていたのが、来客や宅配便の人に吠えるようになりました。意思を伝えようとクンクン鳴いたり、ため息をついたり、表情や表現が豊かになりました。そんなふぅちゃんの様子を写真や動画に撮り、ALL AS ONEのスタッフにたくさん送っているというご家族。
「小さな命を繋げてくださり、ふぅに会わせてもらえたことに感謝しています。だからふぅの成長を見てほしくて送っているんです」。巣立った子の幸せそうな姿を見て、スタッフさんたちも安心しているに違いありません。
「ふぅがいない生活は考えられません。何をしても、どんなふぅもかわいいです」と、ご家族はメロメロ。きっとお空ではなちゃんも喜んでいることでしょう。
(まいどなニュース特約・岡部 充代)























