家庭内での食中毒リスクへの関心が高まる季節が来ました。Nadia株式会社(東京都港区)が運営する料理メディア『Nadia』が実施した「家庭の食中毒対策」に関する調査によると、約5人に1人が「食中毒関連でヒヤリとした経験がある」と回答したことがわかりました。なお、本記事では「作り置きの調理ポイントと保存のコツ」についてもあわせて紹介します。
調査は、同メディアユーザー1232人を対象として、2026年4月~5月の期間にインターネットで実施されました。
調査の結果、全体の22.1%が「食中毒関連でヒヤリとした経験がある」と回答しました。
具体的には「カレーの常温保存」や「鶏肉の加熱不足」に関する内容が特に多く寄せられ、カレーに関しては「粗熱を取るつもりが、出しっぱなしで朝になってしまった」「一晩寝かせたカレーを食べてお腹が痛くなった」といった声がありました。
カレーを作った鍋を常温のまま放置すると、ウェルシュ菌が増殖して食中毒につながるおそれがあるため、小分けにするなどして速やかに冷却し、冷蔵庫へ入れることが重要です。
また、鶏肉についても「中まで火が通っていなかった」「煮込んだ後に切ったら中が赤かった」といった加熱不足に関する回答が多数挙がりました。
お肉の加熱に関しては中心部を75℃で1分以上加熱することを徹底し、厚みのある肉は蓋をして蒸し焼きにするなどの工夫が必要です。
次に、厚生労働省による「家庭でできる食中毒予防のポイント」に基づき、各項目の実践度を調査したところ、「帰宅後、冷蔵・冷凍品を真っ先に庫内にしまっている」(77.8%)が最多となった一方、「冷蔵庫の詰め込みを7割程度に抑えている」(13.2%)はわずか1割ほどにとどまっており、体験談でも「冷蔵庫に入れていたから大丈夫だと思っていたら腐っていた」「牛乳から嗅いだ事のない臭いがした」などのトラブルが聞かれました。
夏は特に冷蔵庫への詰め込みすぎや、開閉の回数や時間も含めて、冷蔵庫内の温度にも注意する必要があります。また、一度開封した食品は早めに食べきることや、日々保存状態や保存の仕方にも注意することが大切です。
また、「スポンジやふきんを、定期的に煮沸や漂白剤で消毒している」(33.0%)や「肉や魚を切った後のまな板・包丁は、洗うだけでなく熱湯で消毒している」(18.0%)といった項目も少数派で、日常的に行われている項目と、見落とされがちな項目に差があることがわかりました。
■食中毒菌をつけない、増やさない、やっつける!作り置きの調理ポイントと保存のコツ
すぐに食べきらない作り置きにおいては、より一層食中毒への意識が重要です。そこで、衛生管理と美味しさを両立させるための調理と保存のポイントを紹介します。
▽安全に作り置きするための調理のポイント
食中毒予防には、食中毒菌を「つけない、増やさない、やっつける」が鉄則です。
まず、基本となるのが「清潔な調理道具の使用」で、包丁やまな板、箸の衛生を保ち、アルコール除菌や丁寧な手洗いで食材に菌を移さないよう意識しましょう。
また、調理の際は中心部を75℃で1分間以上加熱し、あわせて水分を意識することが重要です。煮物は汁気を飛ばし、和え物は食材の水気をしっかり拭き取ってから調理するなど、菌が繁殖しやすい水分を極力残さないようにします。
また、味付けにおいても、塩やしょうゆで少し濃いめに仕上げたり、酢や梅干し、スパイス、わさびといった菌の増殖を抑える効果が期待できる食材を取り入れたりすることで保存性が高まります。オイル漬けも食材が空気に触れないので、長く日持ちしやすくなります。
▽「菌を増やさない」保存のコツ
保存に使用する容器は熱湯やアルコールで消毒し、料理を手早く冷やしてから蓋をします。温かいまま蓋をすると容器内に生じた水滴が原因で菌が繁殖しやすくなるため、底の浅い容器に小分けしたり保冷剤を活用したりして、素早く冷ますことがポイントです。
さらに、取り分けの際は決して素手で触らず、清潔な箸やスプーンを使用してください。マスキングテープなどで作成日をメモしておくと、食べきる期限の目安になり、より安全に作り置きを楽しむことができます。
また、温め直す際も十分に加熱することが大切です。アンケートでは「残った料理を温め直す際、スープなどは沸騰するまで加熱している」(39.9%)と約4割とやや低い結果となりました。生で食べるおかず以外は目安として75℃以上になるまで再加熱し、スープ等は沸騰するまで温めましょう。
























