アスカさんと出会えたこと運命だと思ってるんです ©Kotton Uota / KADOKAWA
アスカさんと出会えたこと運命だと思ってるんです ©Kotton Uota / KADOKAWA

婚活において、自分の理想を重ねれば重ねるほど泥沼にはまるかもしれません。漫画家・魚田コットンさんの作品『結婚さえできないわたし 29歳からの婚活地獄』では、婚活をはじめた女性の苦悩が描かれています。

29歳のアスカは、友人の結婚をきっかけに婚活に励むことにします。最初は婚活パーティーやマッチングアプリでの出会いでしたが、自分に合わなかったことやトラブルもあり、結婚相談所に入会することにしました。

当初相手の年収は400万円以上と希望していましたが、産後しばらくは専業主婦希望と伝えると、婚活アドバイザーから年収600万円以上の男性を勧められます。婚活を始めるにあたって、婚活アドバイザーからは「ひとまず最低30人申し込みをしましょう」と言われました。

アスカは婚活アドバイザーに言われた通り、第一印象で良さそうと思った30人にネットからお見合い申し込みをします。それと同時に、申し込んだ人とのお見合いも始まりました。最初に出会った人は印象は良さそうでしたが、「実家を一度も出ていないのは心配」と言われ断られます。

次に出会ったのが、37歳の山本でした。山本は、大事なお見合いにも関わらず寝ぐせが付いた髪型でやってきました。アスカは、このカフェをどうやって知ったのか聞くと「母親が探してくれて…」と答えます。

山本は話下手なのもあり話が弾まず、アスカは困っていると、まもなくお見合い終了時間を迎えます。山本にとって、今日のお見合いはとても楽しかったようですが、アスカはどこでそう思ったのかまったく分かりませんでした。

「仮交際申し込みますね」と告げた山本に、この人は不器用だけど優しい人と感じたアスカは、仮交際を承諾します。

後日、アスカは居酒屋に誘われ、2人は呑みながら会話を交わします。山本は優しい人には違いないですが、アスカにはどうもときめきを感じませんでした。その帰り道、山本から次は水族館に行かないかとメッセージが届きます。

しばらくして水族館に行った2人。アスカは、山本から子どもは何人ぐらいほしいかと聞かれました。そこでアスカが想像したのは、交際を先に進めていくと、今後は山本とキスやそれ以上のことをすることになるという事実についてです。

山本は「アスカさんに出会えたこと運命だと思ってるんです」と告げますが、これに対しアスカは「嫌だ この人は私の運命の人じゃない」と自ら関係を断ち切ってしまいます。

それからアスカは、少しずつ『理想』という婚活の呪いにかかってゆくのでした。女性の婚活の心理を描いた同作について、作者の魚田コットンさんに話を聞きました。

■山本が悪いわけでも、アスカが悪いわけでもない

-『結婚さえできないわたし』はどのようなテーマや問題を描いた作品なのでしょうか

なんとなく婚活に足を踏み入れた主人公が、進めるうちに「婚活沼」にハマっていくお話です。婚活を通して自分から見る自分と、他人から見える自分の違いなども描いたつもりです。

-アスカは山本さんを「嫌だ」と感じてしまいますが、どのような部分がアスカにとって嫌と感じたとご想像しますか?

山本は一般的に「普通にいい人」ではありました。アスカもそれをわかっていたので条件も悪くないし、これと言って嫌なところもなかったので仮交際まで進めましたが、山本に対して決定的に「この人と人生を共にしたい」という実感が持てなかったというだけの話です。

山本が悪いわけでも、アスカが悪いわけでもないと私は思っています。

-この作品は、どんな方に読んでもらいたいですか?

いろんな方に読んでもらいたいです(笑)。あえていうなら「結婚って、婚活ってなんだろう?」と思っている人にこそ読んでほしいです!

結婚なんてしなくても幸せになれる時代になぜあえて結婚するのか、したいのか。婚活してまですること?と疑問に思う方にこそぜひ!

(海川 まこと/漫画収集家)