大阪市内を走る地下鉄Osaka Metroの大国町駅と森ノ宮駅に、駅のリニューアルに伴ってギャラリースペースが設置されていることをご存じだろうか。
大国町駅のギャラリーには、かつて各路線を走っていた車両の模型、森ノ宮駅には天王寺駅・心斎橋駅・淀屋橋駅の構内を照らしていたシャンデリアが展示されている。
ギャラリーを開設した経緯や狙いを、大阪市高速電気軌道株式会社の広報戦略部担当者(以下、担当者)に聞いた。
■開業当時の「100形」から最新の「400系」まで車両の歴史が凝縮されたコンコース
大阪の地下鉄は、日本初の公営地下鉄として1933年5月20日に開業。現在の御堂筋線・梅田~心斎橋間を走った。その後、路線を増やしたり延伸したりしながら発展。2018年4月1日に民営化され、「Osaka Metro」となった今も進化を続けている。
大国町駅の南改札を入ると、目の前のコンコースには昨年6月にオープンしたギャラリースペースが広がる。ここでは、開業当初に運行していた車両から、最新の「400系」までの車両の製造年や導入された設備・技術などの歴史が、パネルと車両模型で紹介されている。
その中でも「400系」は、昨年開催された「2025年大阪・関西万博」の会場がある夢洲まで大勢の人を運んだため、大阪に在住していない人にも馴染みの深い車両ではないだろうか。
ここにギャラリーを設置した狙いについて、担当者は「老朽化した駅の壁・天井の剥離や落下等の防止対策など、駅の安全性を確保するリニューアル工事に合わせて、魅力的なデザインや機能を充実させることにより、駅自体を目的地として楽しんでいただける空間をご提供する取り組みとしてスタートしました」と語る。
三方の壁には、開業以来の車両の歴史が当時の写真と共に展示されていて、特に車両ファンには嬉しい空間だろう。
開業当時の車両は「100形」といい、わりあい鮮明な写真が残されていた。当時すでにバリアフリーを考慮した設計になっており、1969年(1970年「大阪万博」の前年)まで現役だった。
大国町駅のギャラリーでもうひとつの特徴は、ギャラリーの窓から御堂筋線と四つ橋線のホームを見下ろせる点だ。展示されている模型と実物の車両を見比べるのも楽しい。
■「こんなに巨大だったのか!」あのシャンデリアが間近に見られる森ノ宮駅のギャラリー
森ノ宮駅西改札を入ってすぐの場所にも、大国町駅と同じく昨年6月にオープンしたギャラリーがある。こちらは大阪メトロの歴史を紹介するギャラリーで、博物館のような佇まいだ。
御堂筋線をはじめとする各路線の歴史や、駅リニューアルのコンセプトが写真で紹介されているほか、かつて御堂筋線の天王寺駅・心斎橋駅・淀屋橋駅のホームを照らしていたシャンデリアが保存・展示されているのが見どころとなっている。
「今回のリニューアルで、役目を終えたシャンデリアを展示し、駅の歴史にフォーカスしたギャラリーとしました」
特に天王寺駅のシャンデリアは1938年の駅開業当初から使用されていたものだといい、歴史を感じさせる。
下から見上げている頃は気づかなかったが、こうして間近に見ると思いのほか巨大だ。駅のリニューアルに伴い姿を消してしまった寂しさがあっただけに、このような形で残されていることを知って少し安心させられる。
ギャラリーを設置した後、利用客の反応はどうなのだろうか。
「具体的なエピソードは把握していませんが、通りがかりの方やギャラリーを目的に見に来られる方など、皆様に楽しんでいただいていると思います」
両駅ともに、通勤や通学で利用者が多い。鉄道ファンだけでなく、駅を利用した折に立ち寄ってみてはいかがだろうか。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)
























