吉本新喜劇のレジェンドのひとり、辻本茂雄が生み出した唯一無二のキャラクター「茂造」。
その破天荒な魅力は老若男女に広く支持されている。そんな茂造の特別公演が今夏も行われる。スタートして10年を迎えた舞台に懸ける並々ならぬ情熱の裏側には、どのような思いがあるのか。辻本に聞いた。
--今回、7月27日(月)から始まるなんばグランド花月での「辻本新喜劇」が10周年を迎えます。
辻本:元々は茂造のキャラクターで、京橋花月(2008年11月~2011年11月)で『よる芝居』の枠で始めたんです。そこから数えるともう18年くらいになります。2019年に座長を退いてからも、こうして茂造の看板を背負って大きなステージに立たせてもらえるのは、本当にありがたいことやなと感じています。
--茂造といえば、常識をハチャメチャに壊していくアグレッシブなキャラクターが強烈ですね。
辻本:芝居は生き物ですから、茂造というキャラクターは常に変化していると思います。ただ、僕が一番大切にしている「お客さんを楽しませる」という根底の部分は変わっていません。そこを茂造は体現していると思っています。
日常生活でモヤったことを茂造ははっきりと言うて、見てくださっているお客さんをスカッとさせたり。逸脱したキャラではありますけど共感してもらえる部分があるのは意識しています。
--茂造の芝居は普段の吉本新喜劇よりも出演者数が多いのも特徴ですね。
辻本:まずは、とにかく若手を舞台に出してあげたい、育てたいという思いが強いからだと思います。吉本新喜劇にいても、若い子はなかなか自分を出せるチャンスがないですから。その子たちがちょっとでも僕の芝居で何かを見いだせたり、存在をアピールできる場ができればと思って。その分、わざと笑いを生み出してもらおうと追い詰めたりもしますけど(笑)。やっぱり現場の緊張感に勝るものはありませんからね。
--座長になったアキさんをはじめ、辻本さんの舞台で、高井俊彦さんや平山昌雄さん、他にもたくさんの若手・中堅が光っています。起用するメンバーを選ぶ基準はあるのでしょうか?
辻本:「真面目に頑張りたい」という強い気持ちがある奴が好きですね。不器用でも一生懸命な人間は、演出次第でどんどん化けます。今回の公演でも、普段のなんばグランド花月ではなかなか見られないような若手のギャグを僕を中心にいっぱい作って、どんどん「お前のネタやってまえ!」って推してます。キャラクターが活きて、舞台でウケている姿を見るのがうれしいんですよ。
--そして辻本さんの舞台といえば、大掛かりな「ギミック(仕掛け)」や、お客さんが客席参加型の演出も名物ですね。
辻本:あれは長年ずっと同じスタッフと一緒に作っているからこそできる強みですね。息がぴったりだから、危ない仕掛けも絶妙なタイミングで成功する。
あと、お客さん参加型の“ずっこけ体験”とかは僕の大事なテーマです。チケット代を払って、遠方から交通費や宿泊費をかけて来てくださるご家族もいる。絶対に「楽しかった!」と大満足して帰ってほしいんです。ずっこけ体験に参加したことがきっかけで、実際に3組も結婚されたんですよ! 後日、生まれた赤ちゃんを抱いて「結婚しました!」ってまた舞台を観に来てくれたときは、役者冥利に尽きるなぁと胸が熱くなりました。
--ただ、サービス精神が旺盛すぎて、上演時間がとんでもないことになるとお聞きしました。
辻本:そうなんですよ(笑)。アホみたいに面白いアドリブを詰め込みすぎるから、台本がどんどん長くなる。今年のゴールデンウィークの公演なんて、若手がセリフを間違えてね。それを笑いに変えようとアドリブを入れまくっていたら、2時間半で終わる予定が3時間29分30秒! 劇場の閉館時間30分前ギリギリでした(笑)。でもね、お客さんからクレームがくるかなと思ったら、アンケートには「長く観られて得した!」ってたくさん書いてあって、本当に温かいお客さんに支えられています。
--還暦を超えてなお、それだけの熱量を維持するのは体力的にも大変ではないですか?
辻本:実はね、体がしんどすぎて、“これは何か対策せなあかん”と思って、今年の2月からダイエットを始めたんです。もともと83.3キロあった体重を、15キロ絞りました!
--15キロも!どうやって痩せたのですか?
辻本:まずグルテンフリーから始めて、食事制限を徹底しました。昔から家では一滴もお酒を飲まないんですけど、外での付き合いもなるべく減らして。それまでは毎回、大きなバームクーヘンを公演の前に食べたりしてたんですが、水羊羹で我慢して(笑)。チートデーは週に1日だけ。でも、15キロ痩せたら劇的に体が軽くなりまして、動く動く(笑)。長時間の舞台も、驚くほど楽に動けましたから今回の公演も楽しみですわ。あ、でも時間は守るようにします(笑)。
--動けるようになった茂造の舞台が間もなく始まります。
辻本:7月27日からなんばグランド花月で始まる「辻本新喜劇」。今回は久しぶりに2幕構成に挑戦します。休憩を挟んでじっくり魅せる、原点回帰のステージです。こっちはもう、とにかく笑い、笑い、笑い! 難しいことは一切抜きにして、お腹がちぎれるほど笑って日頃のストレスを吹き飛ばしてほしいです。
そしてお盆には、森ノ宮になるCOOL JAPAN PARK TTホールで2日間ですが、お盆特別興行も控えています。こちらはまたガラリと内容を変えてお届けしますんで、幅広い年代の方に一緒になって笑える最高のエンタメを用意して待っています。
「茂造特別公演 10 周年記念 辻本新喜劇 in なんばグランド花月 7DAYS」
※7/31(金)・8/1(土)・8/2(日)完売
日程:7月27日(月)~8月2日(日)
時間:19:30 開演(開場は30分前)
チケット:前売・当日ともに 6000 円
出演者:辻本茂雄、安尾信乃助、高井俊彦、清水けんじ、平山昌雄、瀧見信行、新名徹郎、清水啓之、多和田上人、もりすけ、レイチェル、松本慎一郎、玉置洋行、永田
良輔、生瀬行人、田中ルイボスティー、たかおみゆき、大塚澪ほか
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「お盆じゃ~!真夏のあつ~い!茂造新喜劇」
日程:8月14日(金)~8月15日(土)
会場:COOL JAPAN OSAKA TT ホール
時間:14日(金)19:00 開演 15日(土)18:30 開演
チケット:前売・当日ともに 5000 円
出演者:辻本茂雄、安尾信乃助、高井俊彦、平山昌雄、瀧見信行、清水啓之、多和田
上人、レイチェル、松本慎一郎、玉置洋行、永田良輔、生瀬行人、たかおみゆきほか
(まいどなニュース特約・仲谷 暢之)
























