手取り額の減少を避けるための就業調整の実態は ※画像はイメージです(Zoey106/stock.adobe.com)
手取り額の減少を避けるための就業調整の実態は ※画像はイメージです(Zoey106/stock.adobe.com)

人手不足が深刻化するなか、貴重な労働力として期待される主婦層。株式会社マイナビ(東京都千代田区)が実施した「主婦のアルバイト調査(2026年)」によると、「年収の壁」による手取り額の減少を避けるための就業調整の実態や、職場と家庭の間で揺れる主婦層のジレンマ、そして出産に伴う「正社員離れ」の深刻な背景が浮き彫りになりました。

調査は、アルバイト就業中の20~50代の既婚女性1630人を対象として、2026年2月~3月の期間にインターネットで実施されました。

現在のアルバイトにおける就業調整の実態を調べたところ、全体の約4人に1人が「手取り額が減らないように就業調整をしている」(23.3%)と回答しました。

これに対し、約2人に1人が「年収の壁などがなくなり、手取り額が減らなくなった場合、働く時間を増やしたい」(今の職場で働く時間を増やす40.9%、別の職場で働く時間を増やす10.0%)と回答しており、配偶者手当や税制・社会保険上のいわゆる「年収の壁」が、世帯全体の収入を計算する上でのハードルとなり、働く意欲のある主婦層の労働供給を妨げる直接的なブレーキになっている現状が改めて確認されました。

就業調整をしている主婦アルバイトに対して、「周囲の人間から働き方に関する要望や声をかけられた経験」を尋ねたところ、22.1%が「今の職場でもっと働いてほしい」と言われた経験があり、主に職場の上司(14.5%)や同僚(6.7%)からの声が多かったようです。

一方で、16.6%は「稼ぎすぎないでほしい(収入を抑えてほしい)」と言われた経験があり、主に配偶者(15.7%)からの声掛けが見られました。

また、「今の職場でもっと働いてほしいと言われたことはないが、周囲の人はそう思っていそうだと感じる」が11.0%となり、周囲の意識や職場の雰囲気による無言のプレッシャーの存在も示唆されました。

次に、出産前に正社員として勤務していた層に対して、「出産が正社員を離れる(退職・転換する)ことに影響しましたか」と尋ねたところ、83.9%が「影響した」と回答。

「出産が正社員を離れることに影響した理由」としては、「家庭を優先したかった」(44.3%)、「正社員だと両立が難しいと感じた」(33.9%)、「生活時間に合わせたかった」(32.4%)が上位に挙がり、「家庭優先」という自発的な意識だけでなく、その裏には「残業対応への懸念」や「急な子供の病気への対応の難しさ」といった、現行の正社員特有の硬直化した働き方(フルタイム・残業ありきの文化)では育児との両立が実質不可能であるという、切実な諦めが影響していることがうかがえました。