体調不良になった生徒の保護者にお迎えを頼んだところ、「仕事を抜けられない」との返事。結局、迎えが来たのは19時前で、楽しみにしていた大好きなアーティストのライブに行けませんでした。
「自分何やってるんだろ」--そんな経験をつづった養護教諭のX投稿が328万回以上表示され、話題を集めています。投稿者のゆるゆる養護教諭さん(@yuruyuru_yokyo)に当時のことを聞きました。
■本当は17時半に学校を出て、ライブ会場へ向かうはずだった
いわゆる「保健室の先生」である養護教諭。ゆるゆる養護教諭さんは、けがをした生徒や体調が悪い生徒の対応をするほか、生徒の相談にも乗っています。定時は8:15~17:00だそうです。
その日、ゆるゆる養護教諭さんは、体調不良になった生徒の保護者にお昼に電話しましたが、返ってきたのは「仕事を抜けられないので夕方にならないと迎えに行けません」という言葉でした。安全上、生徒を保健室に一人にすることはできず、必ず教員が付き添う必要があります。
本当は17時半に学校を出てライブ会場へ向かう予定でしたが、生徒のそばで待ち続け、保護者が迎えに来たのは19時前。しかも「遅くなってすみません」といった言葉はなく、「あ、どうも」という感じで帰っていったそうです。
この投稿には、さまざまな意見が寄せられました。
「私も生徒指導で友だちとの旅行に遅れたことがある」「独身の頃は『あぁ今日こそは早く帰りたかったのに…』って日ばかりだったし、子どもが生まれてからは『ああ、また今日も延長保育だ…』の毎日」など、教員として同じような経験をしたと嘆く人が続出。
そのような中、「教員にも定時はあるし、教員だって休まなきゃ食べなきゃ死ぬし、教員にも自分の人生がある」「困った時はぜひ管理職に即相談を」「同僚にいたら、楽しんできて!土産話待っとるよ、と笑って交代して送り出せるようにしたい」と、ゆるゆる養護教諭さんを励ます声も届いています。
一方で、「別の職種であろうと、急な仕事が入ってきたら残業しないといけないわけで。確実に行きたい予定を入れるなら半休取るなりするのが社会人として普通だと思ってた…」といった厳しい意見もありました。
■同じように働いている立場として、親の状況は理解できるけれど…
当時を振り返って、ゆるゆる養護教諭さんは「まだ若かったので、『早く1人でこなせるようにならなきゃ!』という思いが強かったんだと思います。先生方との関係性もできる前の出来事だったので、誰にお願いすればいいかも分からなかったんです」と話します。
優しい先生ばかりの職場だったものの、誰もが忙しそうで「私的な用事のために代わって残業してください、なんて当時の私は勇気が出なくて言えませんでした。残業代が出ないのでタダ働きですしね」と打ち明けます。
自身も働く立場として、仕事を簡単に抜けられない事情は理解できるとしつつ、「さすがに19時近くなると、一般的には『定時を過ぎて残業しなければならない時間』ですよね。なのに『すみません』の一言もなく、なんだか『自分の時間を軽く扱われてる』みたいな感覚になってしまったんですよね」と、この出来事が強く印象に残っている理由を語りました。
今後については、「特殊な職業なので、どうしても『絶対に定時で帰る』は難しいとは思います。最近は働き方改革で『電話や面談は定時まで』という動きをしている自治体もあるようです。そういうのが広がっていくと働きやすいなとは思います」と提案します。
さらに学校現場については、「時間外の対応に限らず、何事も助け合ってチームで対応できる雰囲気が学校にあれば、大抵のことは対応できるのではと思います。そのためにも時間・気持ちともに余裕が必要です。自分の仕事で精一杯で人を助ける余力がない人もいっぱいいると思うので」と続けました。
加えて、「教員にも家族がいて、プライベートの時間も必要ということを少しでも想像してもらえればと思います」と訴える、ゆるゆる養護教諭さん。教員と保護者がお互いを尊重し合えるためには、行政による環境づくりも必要なのかもしれませんね。
(まいどなニュース特約・山岡 もと子)
























