宝塚歌劇花組公演「赤と黒」が28日、宝塚バウホール(兵庫県宝塚市栄町1)で開幕した。19世紀フランスの文豪、スタンダールの同名小説が原作。富と名声を熱望して愛する女性たちを踏み台にする貧しい青年ジュリアン・ソレルが、その彼女らのために足を踏み外すまでをドラマチックに描く。今作が初主演となる侑輝大弥(ゆき・だいや)が、複雑に揺れ動くソレルを体当たりで表現している。
フランスの小さな町の貧しい製材小屋に生まれたソレル(侑輝)は赤い制服を着る軍人となってナポレオンのように出世したいと願うが、ナポレオンが没落、王政復古の世になり、黒衣の聖職者としての栄達を目指す。
司祭にラテン語を習うソレルは、頭脳明晰(めいせき)をかわれて町長レナール(紫門=しもん=ゆりや)の子どもたちの家庭教師になる。ところがレナール夫人(朝葉=あさのは=ことの)と恋仲になり、それが世間に知られたため神学校に入学。やがて新天地を求めパリへと向かい、政界の実力者、ラ・モール侯爵(和礼彩=かず・れいさ)の秘書となって才能を発揮する。そこで今度は侯爵の一人娘マチルド(七彩=なないろ=はづき)と愛し合うが…。
野心満々だが制御不能の情熱、恋愛によって破滅へ。理性を保とうとするが、そこから離れた世界に突き進むソレルという難役に侑輝は果敢に挑戦。天性のプレーボーイという設定を、その美しいビジュアルで体現する。眉間にしわを寄せ、愛と理性のはざまで苦悩する表情で、相手女性を見つめる潤んだ瞳がなんともセクシーで、観客を物語の世界へ一気にいざなった。
この大役を機に、表現の幅が広がったのは間違いないだろう。
8月13日まで。7月30日、8月7、10日休演。同11日午後2時半からの公演をライブ配信する。宝塚クリエイティブアーツ・カスタマーセンターTEL0797・83・6000
(片岡達美)
























