Aさんは、10歳と2歳の子どもを育てる専業主婦です。上の子どもは前夫との間にもうけた子ですが、前夫からのDVに悩み離婚します。そのときにAさんを守ってくれたり、その後の就職を助けてくれたのは、今の夫でした。彼はAさんが契約社員として働いていた職場の雇い主です。
夫は上の子どもと養子縁組をし、2人の子どもを分け隔てなくかわいがってくれています。本業以外にも資産運用などでかなりの収入があり、生活は安定しています。
しかし、ふとしたことから夫の浮気が明るみになります。なんとAさんの退職後に入社した、新たな契約社員の女性と深い仲になっていたのです。あれほど熱烈に求婚してくれたのに、あっさりと他の女性に心を移した夫を許せないという思いがAさんの中で募っていきます。
かといって離婚してしまうと、何の資格もないまま子ども2人と放り出されることになるのが不安でたまりません。たとえば浮気相手から慰謝料を請求できたら、少しは安心できるかもしれないと考えるも、不安が先立ってしまいAさんは動けないでいました。
では、Aさんはこの状況でとれる行動に、どのような選択肢があるのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。
■会社員とは違う経営者のリスク
ー「離婚は2回目」という事実は、その後のAさんに悪い影響がありますか?
1度目の離婚であれば、「そういう間違いは誰にでもある」と周囲に受け止めてもらいやすいものです。しかし、短期間に2度目の離婚となると、周囲から「本人にも何か問題があるのではないか」という厳しい目でみられかねません。世間からの印象があまりよくないことは、事実として認識しておく必要があるでしょう。
ー資産も収入も多い夫や、浮気相手に慰謝料の請求はできますか?
慰謝料の請求自体は可能です。しかし、離婚せずに夫婦関係を改善したいのであれば、目先の感情で相手を攻撃するような行動はおすすめしません。もし裁判沙汰になれば、経営者である夫の会社の名前に傷がつき、最悪の場合は事業が継続できなくなってAさん自身が困ることになってしまいます。
浮気相手への請求も、関係修復を望むなら一旦待つべきです。浮気の事実と相手を知ってから3年間は請求できるため、2年ほど待って冷静に考えてからでも遅くありません。
ー婚姻関係を続けるのであれば、Aさんはまず何をすべきでしょうか?
夫はもともとAさんに熱烈に求婚したように、「恋愛気質」を持っている人です。夫自身が変わったわけではなく、その情熱を他の人に向けてしまっただけだといえます。
恋愛と家庭を分けて考えており、子どもにとって良い父親であるなら、夫に離婚する気は全くないはずです。他人は変えられないため、自分自身が魅力的になっていくことに力を注いでいきましょう。
「浮気なんて許せない」と夫を責め立てるのではなく、妻として再び恋してもらえるよう、夫を手のひらで転がすぐらいの余裕を持つことが関係修復への近道です。
ーそもそも会社員と経営者とで浮気をする可能性に違いはありますか?
経営者の方は、会社員と違って自分でスケジュールを組むことができるため、日中に外出したり夜遅くに集まりに出たりと、時間の自由度が高い傾向にあります。
さらに金銭的にも余裕がある場合が多く、地位や権力があるところには異性が寄りつきやすいため、経営者という立場自体が魅力的に映るものです。こうした時間やお金の自由度が悪魔のささやきを招きやすく、Aさんの夫も誘惑に触れる機会が多かったのかもしれません。
◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士/心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
























