ジャンピング鮎(株式会社いわさき提供)
ジャンピング鮎(株式会社いわさき提供)

飲食店の前にある食品サンプルが、まるで本物のようで思わず目をとめてしまうことは、誰でも1度はあるでしょう。そんな食品サンプルを作っている株式会社いわさき(@IWASAKI_SAMPLE)がX(旧Twitter)に投稿した1枚の写真が注目を集めています。

その写真には、水面を飛び跳ねる鮎をかたどった造形物が映っており、この投稿は21万回以上も閲覧されました。社内コンクールのために制作されたこの『ジャンピング鮎!!』を見たSNSユーザーからは「なんという躍動感 」「捕まえにいきたくなります」など多くの賞賛の声があがっています。

では、この作品がどのようなこだわりを持って作られているのでしょうか。また他にもユニークな作品はあるのでしょうか。株式会社いわさきの担当者に話を聞きました。

■水しぶきをいかにリアルにするか

ー同作のこだわりなどあれば教えてください。

製作者によると、「最初は水中を泳いでいる鮎だけの製作予定でしたが、なにか動きを表したく、途中で飛び跳ねている動きをつけることにしました。

特にこだわったのは、水しぶきをいかにリアルにするかという点です。跳ねた鮎はアクリルの棒で固定しているのですが、棒が目立たないよう、水しぶきと一体化させて躍動感を演出しています。

また、コンクール作品は通常業務の合間に製作するという決まりがありますので、限られた時間のなかでどれだけ生きの良さを表現できるかに苦労しました。」とのことでした。

ーSNSで話題になりましたが、反響はいかがでしたか?

鮎の投稿では、印象的なコメントをたくさんいただきました。

中でも「活きがいいですね!」というコメントは特に嬉しかったです。言われてみると、歴代の食品サンプルコンクール作品の中でも、最も生命感あふれる作品の一つだったように思います。鮎の持つ躍動感やみずみずしさを感じ取っていただけたのかもしれません。

また、「博物館に飾られそうですね」というコメントもありました。実際に食品サンプルは、博物館で食材や郷土料理、歴史的な料理文化を紹介する展示にも活用されています。

実物の見本や資料があれば、多くのものを食品サンプルの技術で再現することができます。今回の鮎も、食品サンプルの表現力の高さを感じていただける作品になったのではないかと思います。

ー同作の写真投稿に「博物館か美術館の展示用?」という声がありましたが、実際に博物館で展示されることはあるのですか?

近年の事例では、大阪・関西万博において、大阪府の特産品を一堂に展示した「大阪産(もん)」の展示で、弊社が製作した食品サンプルをご使用いただきました。

このような展示では、食品サンプルのリアルな表現力を生かし、実物に代わる展示資料としてご活用いただいています。

-同作以外でSNSで注目された食品サンプル作品は他にもありますか?

下記2作品が特に注目された食品サンプルとなります。どちらも社内コンクールの作品となります。

【秋刀魚】2023年社内コンクール作品

これは「秋刀魚」に「刀」の漢字が入っていることから連想されたダジャレのような作品ですが、歴代コンクールでもグランプリ常連のベテラン製作者の作品になります。

鱗模様の書き込みや新鮮なサンマの特徴である「口の先が黄色い」ところまで再現しています。刀の刃物部分も食品サンプルと同じ樹脂素材で作成しており、刃物としては全く斬れるものではありません。

【生々しい生たまご 】 2022年社内コンクール作品

製作者によると「『卵の殻を今までにないくらいリアルに作れるかもしれない』という再現のアイデアを思いついたことがきっかけです。シンプルでありながら、最も難易度の高い『生卵』の表現に真正面からチャレンジしました。」とのことでした。

通常の食品サンプルは実物から型を取って製作しますが、これに関しては黄身や白身などの原型を創作したそうです。

殻の中の薄皮やわずかに残った卵白、殻のひび割れも全て意図的に表現し、見た人が驚くように、とにかくリアルにこだわって作ったとのことでした。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)