空前絶後のSUVブーム。その影響を受け、軽自動車にもSUVとのクロスオーバーモデルが続々と登場している。
軽SUVクロスオーバーモデルの先駆けであるスペーシアギアに続き、タントファンクロス、デリカミニも登場。そして、最も後発となるN-BOX JOYは、2024年9月にデビューした。日産ルークスを除き、各社の軽SUVクロスオーバーモデルが出そろったことになる。
そこで本記事では、11年連続で軽自動車新車販売台数ナンバー1を誇る大人気モデルN-BOXのクロスオーバーモデルであるN-BOX JOYと、このカテゴリーのパイオニアであるスペーシアギアを、燃費性能や価格、機能、デザインなどの観点から徹底比較する。
※記事内のN-BOX JOYの画像は、マイナーチェンジ前のもの
【N-BOX JOY(JF5/6系)がお勧めな人】
・乗り心地重視
・街乗りメイン
・ホンダが好き
【スペーシアギア(MK04系)がお勧めな人】
・燃費重視
・操縦安定性は重要
・コスパ優先
■ホンダN-BOX JOY(JF5/6系)の特徴
N-BOX JOYは、2024年9月にN-BOXシリーズに追加されたクロスオーバーモデルだ。人々の暮らしや働き方が多様化する中、「アウトドアを手軽に楽しみたい」「じぶんだけのくつろぎの空間がほしい」といったユーザーのニーズに応える、誰でも気軽にリラックスした時間を満喫できるクルマを目指して開発された。
N-BOX JOYの外観デザインは、標準車のN-BOXをベースに、立体感のあるヘッドライトやブラックとボディカラーのコンビネーションバンパーなどを採用。道具感を際立たせ、アクティブな雰囲気を強調している。
インテリアは、シート表皮に撥水素材のチェック柄ファブリックを全グレードに採用。自然吸気エンジン車はトリコットと撥水ファブリックのコンビシート、ターボエンジン車は合成皮革のプライムスムースと撥水ファブリックのコンビシートを採用するなど、バリエーションを持たせているのが特徴だ。
N-BOX JOY(JF5/6系)の最大の特徴が「ふらっとテラス」だ。後部座席をダイブダウンするだけで、リラックスした時間を過ごせるテラスのような空間が出現する。
N-BOXやN-BOXカスタムに対して、フロア後端を80mm高く設定することで、足を伸ばしてくつろげるフラットに近い座面を実現している。また、快適な座り心地を追求するため、リアシート背面にプレートを追加して凹凸を削減。さらに、フロアのストラップ機構にヒンジ式リッドを設けることで、フロアの凹凸を減らし、ストレスなく過ごせる快適な空間を追求している。
N-BOX JOYに搭載しているエンジンは、最高出力58ps、最大トルク65Nmを発生する自然吸気エンジンと、最高出力64ps、最大トルク104Nmを発生するターボエンジンの2種類を設定している。
自然吸気エンジンには、吸気バルブの制御にVTECを採用。一方のターボエンジンには、排気圧をきめ細かく調整できる電動ウェイストゲートを搭載している。CVTは、雑味のない上質な走りを追求している。駆動方式は、全グレードで2WDと4WDを選べる。
運転支援システムは、衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)など13の機能をパッケージ化した先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全グレードに標準装備している。
さらに、新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT」を採用。安心・快適なカーライフを楽しめるコネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」を利用できる。
N-BOX JOYは、2026年7月にマイナーチェンジを実施。丸型LEDフォグライト、9インチHonda CONNECTナビやETCなどを標準装備化し、より充実した装備となっている。
■スズキスペーシアギア(MK04系)の特徴
2024年9月に登場したスズキスペーシアギアは、スペーシアギアとしては2世代目となる。商品コンセプトは「アウトドアライフに欠かせないアクティブ軽スーパーハイトワゴン」。日常使いに万能でありながら、ユーザーのさまざまなアウトドアライフに寄り添うクルマとして開発された。
スペーシアギアの外観デザインは、先代モデルの「無骨かわいい」を継承し、アウトドアギアの道具感を強く感じられるデザインを採用している。
フロントとリアバンパーは「ガジェット感」にこだわり、シルバー加飾のスキッドプレートをはじめ、スズキのSUVの特徴である丸型のヘッドランプを採用。フロントバンパーは「タテヨコナナメ」の多角形デザインとすることで、スッキリとした面質を実現している。
また、サイドガーニッシュにはアクセントカラーを採用し、道具感を引き立てるサイドドアエンブレムを装着している。
インテリアは、使いやすさを追求しつつ、アウトドアギアのような道具感を演出するカラーを採用。また、ファブリックシート表皮は艶とマットの組み合わせにより、「タフさ」と「撥水性」を強調している。
さらに、リアシートに内蔵されたフラップの位置や角度を調整するだけで、オットマンモードなど3つのモードに対応する。快適・便利なマルチユースフラップを全車に標準装備している。
スペーシアギアに搭載されているパワートレインは、最高出力49ps、最大トルク58Nmを発生する660cc直列3気筒DOHCエンジンと、最高出力64ps、最大トルク98Nmを発生する660cc直列3気筒DOHCターボエンジンの2種類だ。
どちらもモーター機能付き発電機を採用したマイルドハイブリッドシステムを搭載。トランスミッションは全車にCVTが組み合わされ、燃費性能はWLTCモードで19.8~23.0km/Lとなっている。軽スーパーハイトワゴンとしてトップレベルの実力だ。
運転支援機能は、単眼カメラとミリ波レーダーを搭載。衝突被害軽減ブレーキと低速時ブレーキサポート(前進・後退)がセットとなったデュアルセンサーブレーキサポートIIを核に、誤発進抑制機能、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能、ヘッドアップディスプレイなど12の機能をパッケージ化したスズキ セーフティ サポートを標準装備している。クラストップレベルの予防安全性能を誇る。
■燃費はスペーシアギアがリード
1.燃費比較
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は3.5
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.5
N-BOX JOY(JF5/6系)燃費は以下の通りだ(WLTCモード)。
【直3DOHCエンジン】
・2WD:21.3km/L
・4WD:19.3km/L
【直3DOHCターボエンジン】
・2WD:20.2km/L
・4WD:18.4km/L
スペーシアギア(MK04系)の燃費は以下の通りだ(WLTCモード)。
【直3DOHCエンジン】
・2WD:23.9km/L
・4WD:22.4km/L
【直3DOHCターボエンジン】
・2WD:21.9km/L
・4WD:19.8km/L
燃費性能は、スペーシアギアがN-BOX JOYをやや上回る結果となった。こうした結果になったのは、マイルドハイブリッドシステムの有無。スペーシアギアには、マイルドハイブリッドシステムが搭載されているが、N-BOX JOYには装備されていないからだ。
燃費に大きく影響を与える車両重量は、N-BOX JOYが、910~940kg。対してスペーシアギアは900~960kgと最も差の大きなターボ4WD車でもわずか20kg。スペーシアギアは、マイルドハイブリッドシステムを搭載していて重量増になるはずなのに、N-BOXJOYよりも軽量。これは、スズキの計量化技術の賜物だ。
■コスパは、スペーシアギア優位
2.価格比較
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は3.0
・スペーシアギア(MK04系)の評価は3.5
N-BOX JOYとスペーシアギアの最上級グレードの価格は下記の通り。
・N-BOX JOYターボ(FF):260万1500円
・スペーシアギアハイブリッドXZターボ(FF):203万7200円
N-BOX JOYの最上級グレードであるターボと、スペーシアギアの最上級グレードであるハイブリッドXZターボとの価格差は、なんと約56万円もある。これだけの差が付いた主な理由は、9インチ大画面ナビとETCがN-BOX JOYでは標準装備されているのに対し、スペーシアギアではオプションとなっていることだ。ただ、こうした装備分を差し引いても、N-BOX JOYはやや高価な印象となる。
N-BOX JOYターボは、Honda SENSINGを標準装備。アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付きACC)と車線維持支援システム(LKAS)なども標準装備している。
スペーシアギアは、デュアルセンサーブレーキサポートIIを核とした先進の運転支援システムを標準装備している。スペーシアギアの衝突被害軽減ブレーキであるデュアルセンサーブレーキサポートIIは、右左折時の交差点衝突回避支援に加えて、交差点内での出会い頭の衝突回避支援も行う。
さらに、高速道路などで追従走行が可能なアダプティブクルーズコントロール作動中には、カーブを認識して手前で減速するカーブ速度抑制機能や、車線変更時の補助機能なども備えている。運転支援機能の充実度では、スペーシアギアがややリードしている。
快適装備では、N-BOX JOY、スペーシアギアともに撥水加工が施されたシート表皮を採用している。
N-BOX JOYは、「ふらっとテラス」と呼ばれる、後部座席をダイブダウンするだけでリラックスした時間を過ごせる、テラスのような空間が特徴だ。また、リアシートには座面を畳めるチップアップ機能も装備している。
スペーシアギアは、リアシートの座面にマルチユースフラップを採用。オットマンモードをはじめ、レッグサポートモード、荷物ストッパーモードの3つのモードが利用でき、高いユーティリティ性が特徴だ。
また、コネクテッドサービスは、N-BOX JOY(JF5/6系)がHonda CONNECT、スペーシアギア(MK04系)がスズキコネクトを採用しており、互角といえる。しかし、年会費はN-BOX JOYが1年間無料なのに対して、スペーシアギアは3年間無料と細かな差がある。
両車ともに純正ナビゲーションの画面サイズは9インチだが、スピーカー数はN-BOX JOY(JF5/6系)が4個、スペーシアギア(MK04系)が6個と差がある。
また、車内の空気を循環させるスリムサーキュレーターはスペーシアギアのみが採用。マイルドハイブリッドシステムやステアリングヒーターも標準装備しているため、スペーシアギアのほうがややコスパは高い。
■ほぼ同等の値引き額…時期・商談手法が重要
3.購入時の値引き
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は3.5
・スペーシアギア(MK04系)の評価は3.5
N-BOX JOYとスペーシアギアともに、値引き額は5~15万円程度が平均的だ。ただし、何もせずに商談すれば、5万円以下の値引きになる可能性があるので注意が必要だ。
重要なのは、ライバル車同士を競合させること。N-BOX JOYが本命なら、スペーシアギアやタントファンクロスの見積もりを先に取り、商談する。ライバル車の見積もりがあることを伝え、N-BOX JOYは「とりあえず見に来た」程度のスタンスで商談したい。
あくまでN-BOX JOYが本命だと悟られないようにする。そのうえで、「支払金額は少ないほどよい」という姿勢を示し、値引きも購入条件のひとつとして商談したい。
営業マンとしては、ライバル車を抑えて受注したいという気持ちがある。その気持ちを刺激すれば、徐々に値引き額が拡大するだろう。スペーシアギアも同様の商談方法で、値引きアップを狙いたい。
現金値引きが限界にきたと感じたら、ディーラーオプションやコーティングの無料サービスなどに切り替えるのもよい。
■タフさや道具感をそれぞれ異なるアプローチで表現
4.デザイン比較
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は4.0
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.0
▽N-BOX JOY:ブラックのパーツを随所に使い、タフさと低重心を演出
N-BOX JOYのデザインは、立体感のあるヘッドライトやブラックとボディカラーのコンビネーションバンパーなど、道具感を際立たせたアクティブな雰囲気を持つスタイリングを追求している。
N-BOX JOYの外観デザインは、フロントグリルのアッパーグリルに、金属板をプレス成型したような塊感のある造形を採用。ブラックで表現しながら、ミドルグリルは中央部に凹みを与えることで、力強さを感じさせるデザインとしている。
フロント&リアバンパーは、N-BOXの特徴である安定感のある四角いフォルムを損なわないよう、コーナーをブラックで引き締めている。これによりスタンスの良さを強調すると同時に、ブラックのバンパーやドアロアーガーニッシュで統一感を持たせている。
さらに、ブラックのドアロアーガーニッシュは、タフなイメージを創出するだけでなく、視覚的な重心を下げ、安定感のある走りを感じさせる。
一方、電動格納式リモコンドアミラーやアウタードアハンドルなどもブラック塗装で統一感を持たせ、より引き締まったイメージに仕上げている。隆起したリアフェンダーやふくよかなコーナー部との相乗効果により、ワイド感を強調している。
▽スペーシアギア:「ガジェット感」にこだわりつつ、スズキのSUVの特徴である丸型のヘッドランプを採用
スペーシアギアのデザインモチーフは、頑丈なコンテナ。日常の行動範囲の中で、もっと気軽に、もっと思い切りアウトドア気分を楽しんでもらいたいという思いを込めた「10マイルアドベンチャー」がコンセプトだ。
スペーシアギアは、デザインモチーフを先代のスーツケースから頑丈なコンテナに変更。ボディサイドには、頑丈なコンテナのプレス面を連想させるようなビード形状や、工業製品に用いられる角を面取りしたような造形を取り入れている。
先代モデルではブラックアウトされていたDピラーをボディ同色とすることで、ボディの大きさとコンテナのような丈夫さを表現している。
フロントとリアバンパーは「ガジェット感」にこだわり、シルバー加飾のスキッドプレートをはじめ、スズキのSUVの特徴である丸型のヘッドランプを採用。フロントバンパーは「タテヨコナナメ」の多角形デザインとすることで、スッキリとした面質を実現している。
サイドガーニッシュには、アクセントカラーで道具感を引き立てるサイドドアエンブレムを装着しているのが特徴だ。
■両車ともにリアシートに多彩なシートアレンジで使い勝手を向上
5.室内空間と使い勝手
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は4.5
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.5
N-BOX JOYとスペーシアギアのボディ/室内サイズ、ホイールベースは以下のとおり。
【N-BOX JOY】
・ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1790mm
・室内サイズ:室内長2125mm×室内幅1350mm×室内高1400mm
・ホイールベース:2520mm
【スペーシアギア】
・ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mm
・室内サイズ:室内長2170mm×室内幅1345mm×室内高1415mm
・ホイールベース:2460mm
両車は軽自動車なので、全長と全幅は同じだ。全高は、スペーシアギアが5mm高くなっている。室内の広さに大きく影響するホイールベースは、N-BOX JOYが2520mm。スペーシアギア(MK04系)は2460mmと、N-BOX JOYのほうが60mm長い。
これを踏まえて室内空間の広さを比べてみると、N-BOX JOYは室内長2125mm×室内幅1350mm×室内高1400mm。スペーシアギアは、室内長2170mm×室内幅1345mm×室内高1415mmとなっている。室内幅はN-BOX JOYのほうが5mm大きいが、そのほかの数値はスペーシアギアが上回っている。
ラゲッジスペースは、N-BOX JOYとスペーシアギアともに5:5分割リアシートに、リクライニング&スライド機構を装着。背もたれを倒すと、フラットな床面の空間が広がる。両車ともにスライドとリクライニングを左右別々に行えるため、多彩なシートアレンジが可能だ。
N-BOX JOYのリアシートは、座面が畳めるチップアップシートに加えて、後部座席をダイブダウンすると「ふらっとテラス」と呼ばれる空間が生まれる。
スペーシアギアのインテリアで高く評価したいのが、リアシートに内蔵したマルチユースフラップだ。フラップの位置を変化させることで、オットマンモード、レッグサポートモード、荷物ストッパーモードなど、使い方に合わせて高いユーティリティを実現している。
厳しいコスト制約がある軽自動車で、両車ともに方向性は異なるものの、快適性や利便性の向上を追求している。
■検知能力で一歩リードするスペーシアギア
6.安全装備&運転支援機能
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は3.5
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.5
N-BOX JOY、スペーシアギアともに2024年登場というフレッシュなモデルということもあり、運転支援機能を含めた予防安全装備は、軽自動車の中でもトップレベルの充実度を誇っている。
N-BOX JOYは、単眼カメラと前後8つのソナーセンサーを採用したホンダ独自の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車に標準装備。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)など、13の機能を搭載している。
スペーシアギア(MK04系)の運転支援システムは、単眼カメラとミリ波レーダーにデバイスを一新。右左折時の交差点衝突回避支援も可能とした衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を核に、11の機能を搭載している。アダプティブクルーズコントロールには、カーブ速度抑制機能や車線変更時補助機能などを加えて性能を向上させている。
機能的にはほぼ互角だが、N-BOX JOY(JF5/6系)のデバイスが単眼カメラのみであるのに対して、スペーシアギア(MK04系)は単眼カメラとミリ波レーダーの2つのデバイスを使用している。そのため、より質感の高い制御が可能という点から、スペーシアギア(MK04系)を高く評価したい。
■乗り味がソフトなN-BOX JOY(JF5/6系)としっかり感を強調したスペーシアギア(MK04系)
7.走行性能の比較
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は4.0
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.0
N-BOX JOY(JF5/6系)のエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり。
【直3DOHCエンジン】
・最高出力:58ps
・最大トルク:65Nm
・車両重量:920~980kg
【直3DOHCターボエンジン】
・最高出力:64ps
・最大トルク:104Nm
・車両重量:930~990kg
スペーシアギア(MK04系)のエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり。
【直3DOHCエンジン】
・最高出力:49ps
・最大トルク:58Nm
・モーター最高出力:2.6ps
・モーター最大トルク:40Nm
・車両重量:900~950kg
【直3DOHCターボエンジン】
・最高出力:64ps
・最大トルク:98Nm
・モーター最高出力:3.1ps
・モーター最大トルク:50Nm
・車両重量910~960kg
▽N-BOX JOYとスペーシアギアのパワートレイン性能
N-BOX JOYは両側スライドドアをもつ軽スーパーハイトワゴンなので、車重が重い。0.66Lの自然吸気エンジンでも、街中であれば力強さという面ではそれほど気にならない。
だが、高速道路や急勾配の登坂では、少々パワー不足を感じる。高速道路などを頻繁に使うのであれば、ターボ車がお勧めだ。
スペーシアギアもN-BOX JOY同様、両側スライドドアをもつ軽スーパーハイトワゴンのため、車重が重い。ただ、N-BOX JOYと比べるとやや車重が軽いことに加え、エンジンをアシストするマイルドハイブリッドシステムを搭載している。
そのため、ほんの少しN-BOX JOYより力強さを感じる。とはいえ、高速道路などを頻繁に使うのであれば、ターボ車がお勧めだ。
また、マイルドハイブリッドシステムにより、アイドリングストップからのエンジン再始動がとても静か。セルモーターの回る音や振動がないので、街中での走行も快適だ。
▽N-BOX JOYとスペーシアギアの乗り心地/ハンドリング
N-BOX JOYの乗り味は、やや柔らかめのセッティングで、軽自動車としては快適だ。大きめの段差でも、強烈な突き上げをしっかりと抑えてくれる。街中では、なかなか快適な乗り心地だ。
だが、高速道路では少し印象が変わる。乗り心地そのものはよいのだが、大きなうねりのある路面や凹凸が連続すると、車体の揺れが収まりにくいことがある。
N-BOX JOYは、乗り心地が街乗り重視で、高速走行中の操縦安定性という面ではやや物足りない印象だ。
全幅が狭く背の高い軽スーパーハイトワゴンは、車体のバランスが悪く、横転リスクが高い。そのため、スペーシアギアは操縦安定性を特に重視。サスペンションを硬めにすることで、横転リスクを引き下げているが、その分、街中での乗り心地は硬めだ。低速域では、細かい凹凸もしっかりと伝えてくる。
速度が60km/hを超えてくると、しなやかさが増してくる。低速での乗り心地は物足りないが、中・高速域での操縦安定性は高いレベルにある。
■リセールバリューはN-BOX JOYがやや有利
8.リセールバリュー比較
・N-BOX JOY(JF5/6系)の評価は4.5
・スペーシアギア(MK04系)の評価は4.0
*中古車相場は2026年7月調べ
N-BOX JOYとスペーシアギアの中古車相場と、当時の新車価格比は以下のとおりだ。
【N-BOX JOY(JF5/6系)ベースグレードモノトーン(FF)】
・中古車相場2024年式:約160~200万円
・当時の新車価格比:約87~109%
【スペーシアギア(MK04系)ハイブリッドXZ(FF)】
・中古車相場2024年式:約160~200万円
・当時の新車価格比:約82~103%
▽N-BOX JOY:安定して高いリセールバリューが期待できる
N-BOX JOY(JF5/6系)ベースグレードモノトーン(FF)の中古車相場は、2年落ちとなる2024年式で約160~200万円。中古車相場に対する当時の新車価格比は、約87~109%となった。
2024年式という高年式だが、新車価格を超える高価な中古車も少なくない。こうした高価格帯の車両は、メーカーオプションをフル装備した状態で、ボディカラーはベージュやグリーン系が多い。
また、N-BOX JOYのようなクロスオーバーモデルは、今後も高い人気を得ると予想できることから、N-BOXの中でも高めのリセールバリューとなる可能性も高い。
N-BOXは、軽自動車新車販売台数ナンバー1を11年連続で獲得している超人気車。こうした状態が続くと予想できるため、急激に相場が下落するリスクも小さく、安定して高いリセールバリューを維持すると予想できる。
▽スペーシアギア:超人気のスーパーハイトワゴンらしく、高リセールバリューを維持
スペーシアギア(MK04系)ハイブリッドXZ(FF)の中古車相場は、2024年式で約160~200万円と、N-BOX JOYとほぼ同じ水準を維持している。中古車相場に対する当時の新車価格比は、N-BOX JOYと比べるとやや低く、約82~103%となった。
これは、N-BOX JOYとの人気の差といったところ。N-BOX JOYよりやや低めとはいえ、スペーシアギアは人気のスーパーハイトワゴンなので、今後も高めのリセールバリューを維持できるだろう。
▽お勧めは、両車ともに登録済み未使用車
両車とも高めのリセールバリューということもあり、中古車相場は高く、中古車らしい買い得感はあまりない。
ただし、どちらも登録(届出)済み未使用車が流通している。登録済み未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で登録しただけの車両だ。ほぼ新車コンディションながら中古車扱いとなるため、新車より安価なケースが多い。
そのため、N-BOX JOYとスペーシアギアを購入するなら、こうした登録(届出)済み未使用車がお勧めだ。
■まとめ
N-BOX JOYとスペーシアギアは、両車ともSUVテイストの軽スーパーハイトワゴン。優れた使い勝手と遊び心あふれる個性的なデザインが魅力だ。ただ、メカニズムや走行性能面では、若干の違いがある。そのため、それぞれじっくりと試乗してみることをお勧めする。
ざっくりまとめると、N-BOX JOYは快適な乗り心地で街中主体。スペーシアギアは、速度の高い郊外や高速道路で優れた安定性、そして良好な燃費性能といったところだ。デザインは、好みによって分かれるだろう。
■ホンダ N-BOX JOY(JF5/6系)価格帯(特別仕様車除く)
・ベースグレード(モノトーン)FF:198万1100円
・ターボ(2トーン)4WD:268万4000円
■スズキ スペーシアギア(MK04系)価格帯
・ハイブリッドXZ FF:195万2500円
・ハイブリッドXZターボ 4WD:215万7100円
(まいどなニュース/norico)























