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 阪神大震災の被災者への公的支援を目指し、市民団体と国会議員が立法化を進めている「市民=議員立法実現協議会」が、臨時国会が開会する二十九日に発足する。衆参両院からは六十二人の議員が賛同し、来年一月の通常国会でまず参院での法案提出を目指すが、各党の思惑には開きがあり、被災者の声が届くかどうか、正念場を迎える。

 法案のタタキ台をまとめたのは、西宮市在住の作家、小田実氏らのグループ「市民=議員立法実現推進本部」。阪神大震災など大災害の被災者に対し、国が(1)家屋全壊五百万円、半壊二百五十万円、一部損壊五十万円を給付(2)住宅再建と中小企業の経営再建への低利貸し付け(3)生活保護基準に達しない低所得者への現金給付-など事実上の個人補償を求めている。

 これを受け、田英夫・参院議員らが中心となり、議員立法による法案化を決定。参院では予算を伴う法案提出に必要な人数(二十一人)を超える二十五人、衆院では三十七人の賛同を得た。

 二十九日は、賛同議員と市民が集結して協議会を発足、法案提出に向けた活動を本格化させる。

 しかし、法案成立には、最大与党で個人補償に否定的な自民党の賛同が必須条件(ひっすじょうけん)。また、自民、新進など各党がそれぞれ被災者支援策を打ち出しており、すり合わせも必要になる。賛同者の中には「党の案を優先させる」という議員もおり、調整は容易ではない。

 また、最低でも二兆円といわれる財源をどう確保するのかも課題で、実現への大きな壁になる。

 田参院議員は、法案成立への厳しさを認めつつ、「国は天災で被災した人の損害は払わないのが大原則。あえてこの壁を破り、個人補償への道を開きたい」と決意を語る。

 一方、小田氏は「一月の法案提出まで、あとひと押し。今までのように政党に頼まず、議員個人に対して一緒にやろうと言いたい」と話している。

 賛同議員の政党別内訳は次の通り。

 【衆院】 共産16、社民9、民主7、新進3、自民1、無所属1

 【参院】 共産12、社民4、無所属4、新社会3、新進1、民改連1

1996/11/29
 

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