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阪神大震災で、阪神高速道路神戸線の倒壊に巻き込まれて死亡した西宮市の会社員、萬英治さん=当時(51)=の遺族が十六日午前、阪神高速道路公団(北村広太郎理事長)を相手に、国家賠償法に基づき約九千二百三十万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁尼崎支部に起こした。同高速で起こった震災事故死で、提訴は初めて。
訴えたのは、母親のみち子さん(73)。訴状によると、英治さんは一九九五年一月十七日午前五時四十六分ごろ、会社のマイクロバスで同市内の同神戸線を走行中、地震で高架道路が倒壊。バスごと滑り落ち、全身を強く打つなどして即死した。
原告側は「今回の地震の規模は予測できる範囲内で、倒壊は『通常有すべき安全性』を欠いたために起こった人災」とし、公団側の道路の設置、管理に瑕疵(かし=落ち度)があったと訴えている。
この日は原告側の弁護士四人が同支部に訴状を提出。弁護士は「倒壊に人的な要因があったことは間違いがなく、今後、同じ惨事を起こさないためにも原因と責任を追及する必要がある」と話している。
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