妊娠、出産は何が起きるかわからない。
それでも自分が、手のひらに乗るほどの赤ちゃんを産んでしまうなんて。
その日まで、夢にも思いませんでした。
緊急帝王切開で、予定日より3カ月早い27週2日、582グラムで生まれた息子。
12年前の、2月初旬のことでした。
深夜に出産し、一睡もできないまま朝を迎えました。
車いすに乗せられ、NICU(新生児集中治療室)へ。赤ちゃんは保育器の中で、両手足を開き、仰向けで寝かされていました。
気管挿管されているせいか、お腹はパンパン。
産毛の無いツルツルの肌は赤黒く、手足は折れそうな細さ。
どこに目があるかもはっきりわからず、気管チューブを固定するため、頬にはべったりとテープが貼られています。
小さな小さな手に、そっと触らせてもらいました。