NICUでの息子
NICUでの息子

582グラムの息子とわたしの日々は、病院のチャイムとともに始まります。

12年前の2月、予定日より3カ月早く、緊急帝王切開で生まれた息子。当時入院していたNICUは正午から面会が可能で、毎日欠かさずその数分前には扉の前に到着し、“開店”を待ち構えていました。正午を知らせるチャイムが鳴るや否や、「ピンポ~ン」とインターホンを押し、名前を告げて入室。手洗いと消毒を2回すると、ようやく息子にたどり着けます。

本来なら妊娠7カ月、ほかの赤ちゃんはまだまだ、お母さんのお腹の中で24時間いっしょに過ごしている時期。家族と離れ、たくさんの医療機器をつながれている息子が不憫に思えて、1分でも1秒でも長く、そばにいたかったのです。