倒れた男性を連携して救助した(左から)吉田朱里さん、山田めぐみさん、和輝さん=明石市消防局
倒れた男性を連携して救助した(左から)吉田朱里さん、山田めぐみさん、和輝さん=明石市消防局

 兵庫県明石市内の駐車場で倒れた男性を連携して救助したとして、市消防局は兵庫県神戸市西区の山田和輝さん(34)、めぐみさん(33)夫妻と、兵庫県西脇市の看護師吉田朱里さん(24)に感謝状を贈った。雨の中、突然倒れた男性に救命措置を施しつつ119番。病院に搬送された男性は、後遺症なく退院した。3人は「何より男性の命が助かってよかった」と口をそろえる。(杉山雅崇)

 市消防局によると、5月24日午後0時半ごろ、県立図書館(同市明石公園)を訪れていた山田さん夫妻が、帰るために同館北側の駐車場から車を出そうとした時だった。出口の精算機が故障していたため、駐車場管理に携わる60代の男性が手動でバーを上げた。夫婦が車を発進させた直後、その場に倒れ込む男性の姿が窓から見えた。

 「大丈夫ですか!」。降りしきる雨の中、すぐに車を止めて2人で男性の容体を確認すると意識はなく、いびきのような不気味な呼吸をしていた。めぐみさんはすぐに119番した。

 そこに車で通りかかったのが、吉田さんだった。倒れた男性を見るやいなや降車し、脈を取ってから心臓マッサージを始めた。救急車が到着するまで、適切な対応を続けた。

 めぐみさんは「倒れた人を見るのも初めてだった。男性を助けられたのは吉田さんがいたおかげ」と感謝する。吉田さんは「看護師になるために学んできたことが生きた。男性の後遺症がないと聞きほっとしている」と笑顔を見せた。

 同局の上田貴弘消防局長は「救急現場は一分一秒を争う。3人の行動が命を救った」と絶賛。父親が救急救命士だという和輝さんは「父から『困った人がいたら助けるように』と言われていたので、行動に移せてうれしいです」と話していた。