台風10号の影響で8月29日夜、初めて線状降水帯が発生した南あわじ市。市は市内全域の2万12世帯4万4042人に避難指示を出したが、気象庁も「予測は難しい」とする気象状況の急変に、難しい判断を迫られた。再び同様の状況に直面したらどうすればよいのか。市は避難意識の向上が課題と捉え、専門家は市民が情報収集の幅を広げることが重要だと指摘する。(劉 楓音、荻野俊太郎)
■「判断時間なく、避難指示は困難」
南あわじ市が台風10号への警戒を強めたのは8月26日。しかし、ゆっくりと進む「鈍足台風」は進路も定まらず、接近は延びた。