台風10号について神戸地方気象台は30日、兵庫県への最接近は31日午後から9月1日になるとの見通しを示した。暖かく湿った空気が流れ込み、県内では31日午前にかけて線状降水帯が発生する恐れがあるとして警戒を呼びかけた。
30日午後6時時点で、台風は勢力が弱まり、県内に暴風警報を発表する可能性は低くなった。31日午後6時までに予想される24時間雨量は多い所で県南部200ミリ、県北部150ミリ。その後も降り続き、9月2日にかけて警報級の大雨となる恐れがある。
29日夜には南あわじ市付近で1時間に約110ミリの猛烈な雨を観測し、線状降水帯の発生を知らせる県内初の「顕著な大雨に関する気象情報」が出された。同市阿那賀では地元集会所そばの斜面が崩れ、消防団員ら約20人が30日、土砂が流れこまないように建物に土のうなどを置いた。けが人はなかった。
淡路島3市は避難所を開設し、同日午後7時ごろの時点で、南あわじ市5世帯5人▽洲本市7世帯9人▽淡路市7世帯10人が避難している。
31日は県内の一部交通機関が計画運休する。JR西日本は山陽線上郡-福山間、赤穂線播州赤穂-岡山間、姫新線新見-上月間で始発から運転を見合わせる。一方、神戸線を含む近畿エリアの在来線は始発からおおむね通常通り運行する。
神姫バス(姫路市)は神戸と四国各地を結ぶ路線と神戸-松江線、神戸と淡路島を結ぶ各線を全便運休。本四海峡バス(神戸市中央区)や淡路交通(洲本市)も神戸と淡路島を結ぶ路線などを終日運休する。
(まとめ・上田勇紀)