13日開幕の大阪・関西万博に向け洲本市のサクラの名所を復活させようと、市民らが植樹などに取り組んできた「洲本サクラプロジェクト2025」で、目標の2025本を達成した。
同プロジェクトの実行委員会は2020年1月に発足。花見の名所として知られる同市の曲田山で多くのサクラが老木となり枯れつつあることなどから、美しい風景を未来に残そうと、洲本商工会議所や観光関係団体などが立ち上げた。石村健・淡路信用金庫理事長が会長を務める。
5年間かけて少しずつ木を植樹。市内43カ所に新たに苗木を植え、38カ所で枯れた木を植え替えた。
同万博協会副会長、住友電工会長で、関西経済連合会会長の松本正義さん=洲本市出身=が多額の寄付をするなどして、プロジェクトを支援。実行委はその功績をたたえ、洲本市防災公園(洲本市塩屋1)に記念石碑を建立した。
石碑は5日、関係者約30人が現地に集まり、松本さんも同席してお披露目された。大きさは幅2メートル、高さ1・8メートル。住友家初代の住友政友が残した言葉「何事に対しても誠心誠意を尽くす」という意味の「萬事入精(ばんじにっせい)」という松本さん直筆の文字が刻まれている。
松本さんは「サクラでまちを元気にしようという思いが結実した。石碑を見た子どもたちが洲本や関西、日本を元気にしようと思ってくれればうれしい」と話した。石碑の前に子どもが遊べる砂場も造られた。
その後、実行委メンバーらは、洲本市文化体育館(同)で市民らにソメイヨシノの苗木180本を配布。新たなサクラは植樹などと合わせて2025本に達した。(劉 楓音)