1996年、米国連邦議会で「プロボクシング安全法」が制定された。2000年に「ムハマド・アリ・ボクシング改革法」(アリ法)として更新された連邦法は、選手を守る法とも言える。ずさんな安全管理やファイトマネーの搾取などが横行した状況を健全化するため、国民的英雄の名の下に定められた。
ロサンゼルス在住で、日米で90年代から取材を続けているボクシングライターの宮田有理子は「こちらでは、ボクシングはスポーツというよりコンバット(闘い)に分類される。政府機関が管理し、法整備がなされているのは(闘いという)本来違法な行為を合法にするのだから、考えてみれば当然のこと」と話す。
























