柴右衛門の石像を囲む(左から)曽我廼家桃太郎さん、藤山扇治郎さん、戸田ルナさん、曽我廼家一蝶さん=洲本八幡神社
柴右衛門の石像を囲む(左から)曽我廼家桃太郎さん、藤山扇治郎さん、戸田ルナさん、曽我廼家一蝶さん=洲本八幡神社

 松竹新喜劇の正月公演「淡路島・ふる里の橋」が来年1月2~7日、京都市東山区の南座である。新喜劇の名作を、淡路島を舞台として上演。淡路島には芝居好きの「柴右衛門狸(しばえもんだぬき)」伝説があり、新喜劇の名優・藤山寛美が兵庫県洲本市内の三熊山にほこらを寄進したという縁も。公演に先立ち、参拝に訪れた座員らは「淡路島とのご縁を大切に、しっかりと演じたい」と意気込みを語った。(内田世紀)

■「独特の空気感出したい」

 松竹新喜劇は昨年の正月公演で「淡路島・温泉町値上がり中」を上演。淡路島から夏の味覚を京都に届ける「はも道中」を淡路島観光協会が続けるなど、島と京都の深い縁から関係団体が連携し、「淡路島バージョン」公演が2年連続で実現した。

 伝説の柴右衛門狸は無類の芝居好き。人間に化けて大阪・道頓堀の中座に通い、木の葉のお金で木戸をくぐって芝居を見物するが、正体がばれて犬にかみ殺されてしまう。すると、中座は客足がぱったり途絶え、閑古鳥。慌てた劇場が神棚を作って祭ると、再びにぎわったという。

 神棚は舞台下の奈落にあり、大切に守られてきたが、1999年の中座閉館に伴い、洲本八幡神社(洲本市山手2)へ遷座。境内の「柴右衛門大明神社」は、芸能や商売繁盛の神として参詣者を集めている。

 今月2日、ほこらや同神社を、寛美を祖父に持つ藤山扇治郎さん、洲本市出身の戸田ルナさんら出演者の4人が訪問。柴右衛門の像に手を合わせ、舞台の成功を祈願した。

 「ふる里の橋」は、寛美の十八番で、主人公は2人の妹の親代わりとなってきた土産物屋の主人。下の妹の縁談を成功させようと奮闘する、きょうだい愛の物語だ。淡路島の特産品や名所などを随所に盛り込むアレンジが加えられるという。

 扇治郎さんは「家族愛の物語は、昔ながらのコミュニティーが残る淡路島にぴったりのストーリー」とアピール。戸田さんは「2年も続けて故郷の物語を演じられるなんて。私にしか出せない、島独特の空気感を表現できたら」と笑顔で話した。

 予約は12月9日から。チケットホン松竹TEL0570・000・489

■「淡路島・ふる里の橋」のエキストラ募集

 松竹新喜劇などは、京都・南座での正月公演「淡路島・ふる里の橋」のエキストラを募集している。

 出演するのは、淡路島の祭りの場面。出演日時は、来年1月4~6日の午後2時から。応募は淡路島在住者で、性別・年齢不問(小学生以下は保護者同伴)。出演料はなし。交通費や宿泊費などは自己負担。

 10月30日までに、出演希望日▽氏名・振り仮名▽年齢▽性別▽住所▽携帯電話番号▽身長-を書き、メール(y–ueno@awaji–kankou.or.jp)で申し込む。淡路島観光協会TEL0799・22・0742